アル中あるある

読むと絶対誰かに教えたくなるが、書いてる人の名前を教えるのにはちょっとだけ困る、腹筋崩壊面白ブログ「オリモノわんだーらんど」
その作者で、破壊力満点のペンネームと、絶対いいにおいがしそうな美貌の持ち主、まんしゅうきつこさん。
少し前、書き下ろし単行本「アル中ワンダーランド」を出しておられたので読んでみた。

初めての単行本「ハルモヤさん」は、クスクスときどきホロリ、読めば読むほどに味の出る傑作スルメ漫画だったが、ご自身のアル中体験をマンガになさった今作も、とても良かった。

泣き笑いの地獄巡りの果て、狂気の世界の使者だったフェイクプレーンとの、この上なく優しい会話で幕を閉じる、名作映画のようなラストに思わずジーン。
あのフェイクプレーンが飛んでいった青空のような、清々しい気分になった。
そして、自分がまだ酒を飲んでいた頃のことをちょっと思い出した。

私はぜんぜんアル中ではなかったが、ある日、飲酒時に覆水盆に返らず的大失敗をしてしまい、その日を境にキッパリと酒をやめた。そこからは1滴も飲んでない。もう8年ぐらいになると思う。

アル中ワンダーランドには「どれだけ異常に酒を飲んでいても『自分は絶対アル中なんかじゃない』と思い込む」という「アル中あるある」があるらしい。自分を客観的に見れなくなるのだ。怖い。
酒がなくなると化粧水用のエタノールまで飲んでいたというまんしゅうさんも「アル中」と診断された時「うっそぉ~、この程度で?完全に誤診だな」と思ったそうだ。
アル中になる人というのは酒に強い。だから中毒になるまで飲めてしまう。まんしゅうさんもそうだったのだろう。
やはりアルコール依存症で入院経験のあった作家の中島らもさんも「内臓が酒に強かった」とどこかで書いておられた。
私は、らもさんが好きで憧れもあるが、酒に弱かった。リミットを越えると吐いた。だからぜんぜんアル中にはならなかった。

私はもっぱら部屋で1人で飲んだ。
金がある時は、ビール大瓶3本にビン入りの日本酒5合。
金が無い時は紙パックに入った三日酔いぐらいしそうなマズい安い日本酒やワイン。
さらに無い時はウォッカ。
まったく無い時は、古本屋で金目のモノを売りさばいてチャリ銭に変え、何とか酒を手に入れた。

一度「酔いたい!」という欲望がコンバンワすると、どうしても誘いを断れない。
飲むべきか?飲まざるべきか?葛藤グルグル部屋をウロウロ。
そして最終的には
「日本が…なんか…サッカーで勝ったらしいんよ!こりゃ国民として祝うべきよ!」
とか、サッカーなんて全然見なくてキャプ翼の歌ぐらいしか知らないのに、何かと言い訳を作ってはコンビニへダッシュダッシュダッシュ。
ちょっとあれ見なスーエが通る。それにつけてもワシャなんなの!

こうして用意した酒を、タバコや安定剤をツマミに、映画観ながら、マンガ読みながら、音楽聞いて歌い踊りながら、もう2度と会えない人や好きな芸能人やマンガのキャラとかと(エアー飲みメイト)ニコニコ話し泣き笑いながら、8時間ぐらいかけてぶっ倒れるまで飲む。

ウマイと思ったことは無い。
さえない自分を束の間忘れ、気絶できればいいのだ。
「ほろ酔い」というカワイイ言葉の存在意義はまったくわからない。酔い潰れることができないなら飲む意味は無い。

中島らもさんがアル中で入院した体験を元に書かれた小説「今夜、すべてのバーで」の中に「久里浜式アルコール依存症スクリーニング・テスト」というのが出てくる。
質問に答えていき、最終的に出た点数でアルコール依存症の判定をするというものだ。
当時、私もやってみた。
2点以上だと「きわめて問題が多い」重篤問題飲酒群と判定される。
らもさんの小説の主人公は12.5点。私は13.8点であった。
勝った!…じゃないわ!
んなバカな。私は毎日の連続飲酒もしてないし、幻聴とかも無い。アル中なワケがない。
でも何度計算しても13.8点。
「うっそぉ~、この程度で?完全に誤診だな」
と今でも思っている。
(おわり)

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