最初で最後のカナザワ映画祭

ずっと憧れていたカナザワ映画祭
今年、初めて、やっと行けた。

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「カナザワ映画祭」それは、映画秘宝を愛読するタイプの人なら「オナカが痛いっ!今朝から10日間ぐらいっ!」と職場にウソをついてでも休みを取って新幹線に飛び乗りたくなる系の映画祭。
いまだにソフト化されてない腕がもげる映画「カランバ」を上映してくれる映画祭。
つまり年に一度、石川県金沢市で行われる世界一の映画祭。カンヌ、ヴェネチア、カナザワ映画祭のことを「世界三大映画祭」と言うのである。

「いつか行ってみたい」と熱望しつつも、モロモロの事情で行けず、毎年、奥歯がめり込むぐらい歯ぎしりしていた。
しかし「今回でファイナル!」という話を聞き「ここで行かねば一生後悔する!」と、カナザワ行きを決意したのだった。(…と言っても9日間の日程のうち、参加できたのは事情によりたった2日間だけであるが。トホホ…)

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最初に観たのは「マッドマックス 怒りのデスロード」の爆音野外上映である。
けっこう早めに行ったのに会場は満員、後ろのほうでワシャ立ち見。
上映前に、胸をビリビリと震わせるような凄まじくパワフルな和太鼓のパフォーマンスがあり、お客さんたちのボルテージは最初からマックス!

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映画が始まると、主要キャラが登場するたびに大歓声があがり、この映画がいかに愛されてるかを肌で感じた。
途中降り出した雨はその勢いを増し、大地を叩きつけ、えぐるようなハイパー豪雨に。
しかしほとんどの客は帰らない。雨に打たれるその姿は殉教者たちのような美しさ。
そうだ!立ちっぱなしの足の痛みや冷たい雨がいったい何だと言うのだ!
まるでイモータン・ジョーに忠誠を誓ったウォーボーイズのように、豪雨の中その場を動かずジッとスクリーンを見つめるみんな。
雨をさけて知らん人の家の軒下に避難、疲れてしゃがんで肉巻きおにぎりをムシャリほおばるワシ。
行けない!ワシは!ヴァルハラに!ああ!

翌日にしてマイ最終日の朝。R&Bホテルのうますぎる朝食バイキングでデップリと腹ごしらえ。ここからは翌朝まで映画観っぱなし。シネマ・トライアスロンに突入なのだ。

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1本目は「餌食」だ。
主演を努めた裕也さんの、若かかりし日から今日までブレないロック魂、反骨精神がフィルムに焼きついたようなエネルギッシュな映画。
ラジカセをマシンガンみたいにブラリぶらさげたアウトローなたたずまいがイカす。屋上からの無差別乱射にもしびれた。

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2本目は、公開前から話題騒然「無垢の祈り」のプレミア上映&トークショーである。
イジメ、虐待、貧困…地獄の底で生きる少女が街でウワサの連続異常殺人鬼に救いを求める話。無垢な祈りは届くか…?
DVで無職でパチスロ中毒、その上にロリコンの前科者で、妻の連れ子の少女に一緒に風呂に入ることを強要!包丁で100億兆回ぐらい突き刺して体中の骨を抜き取ってやりたくなるようなゲスの極み継父を芸人のBBゴローさんがナイス好演。
ちなみに児童ポルノ法の関係でソフト化が困難な可能性もあるとのこと。
確かに大手の商業映画では成り立ちにくい企画。監督の亀井亨さんは私財を投入し、インディーズ体制でこの作品を完成させた。
そしてトークショーの中で
「妥協して切ってソフトを出すぐらいなら、最初から出さないほうがいい。」
と信頼できる発言をしておられた。
なので上映されたら映画館に走るべし!観るべし!少女の絶叫に胸を切り裂かれるべし!

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次は、現役の開業医にして格闘家でもあるという異色な異職プロフィールを持つ清川隆監督の「ハッピーアイランド」と「燈火」。
「ハッピーアイランド」はギンティ小林さん風に言わせて頂くと「知らない土地に行ったら変態殺人鬼につかまっちゃいましたムービー」という感じか。
辺境の地を訪れた雑誌のチャラチャラ取材班が謎のオジサンに監禁され「はい次の方~」という感じで順番に殺されていく話。
目ん玉をくり抜いたり、血を注射器で吸い取ったり、皮膚をベロンとはがしたり、手術器具を駆使したユニークでバラエティー豊富な拷問が爆笑&超痛そう。これを考えたのが現役のお医者様とは…
たとえ真夜中、突然オナカに謎の激痛が走り、血便が止まらなくなり、ついには内蔵まで次々と景気よく尻から飛び出し、開いてるのが清川監督の病院だけだったとしても、絶対に行かず正露丸飲んでガマンしようと失礼なことを思った。
ちなみにこの作品、福島がらみということもありソフト化は無理っぽいらしい。観ることができて本当に良かった。
対岸の火事だと思っていた大いなる災厄の象徴は人知れず街に降りてくる。山奥の一軒家で展開されたスラッシャー映画が、世界の終わりを感じさせるスケールの大きさ、深さを獲得していたラストに戦慄。

「燈火」は山奥にひっそりと立つ日本家屋が舞台のホラー。
「こんなお屋敷に夜中一人でお留守番を頼まれたら、ワシャ絶対に気が狂う」と思うぐらい怖かった。
トークのコーナーで清川監督は
「ホラー映画って普通は撮影前にお祓いをする。でも僕は絶対にしない。写ってナンボだと思ってるので」
と頼もしいことを言っておられた。その甲斐あってか、この映画にはホントに霊が写りこんでしまったそうだ。ワシャ幸いにも気づきませんでしたが!

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お次は待ってましたの「カランバ」である!これが観たかった!
「カランバ」とは80年代に公開された残酷ドキュメント。
鳥葬のため遺体をバラバラに切って首チョンパしたり、ロープを両腕にくくりつけ、ジープでひっぱって腕チョンパしたりする残酷映像ばっかり集めた映画。
当時、TVでもCMがバンバン流れ大ヒット!ショッキングな映像と「カランバ」という何かいい感じの語感にチビッコたちも大喜び!昭和の小学生たちは男子も女子もみんな全員「カランバ!ヤマンバ!ビビンバ!」などと叫びながら登下校していたのである!
しかし当時、私は観に行けなかった。親が禁止したのだと思う。
同居していた中学生のイトコのお姉ちゃんが観に行って青い顔をして帰ってきた。
「カランバ、どうじゃった…?」
と私が聞くと、グッタリとした様子で
「なんかね…料理みとうに…ストンと首を普通に切ったりするんよ…」
とションボリ言っていた。
その頃から頭のおかしかった私は大興奮!観たい!絶対!と思いつつも叶わず。何せ問題作ゆえなのか大ヒットしたのにソフト化もされていないのだ。
その夢にまで見た「カランバ」を、30年越しぐらいでやっと観れた。
でも…なんか思ってたのと違った…
もっと殺気に満ちた激しい映画かと思ったらけっこうノンビリ。
首チョンパも腕チョンパも、今までにもっと残酷な映像を観てきてしまったキチガイのせいか、あまり衝撃を受けず。
むしろ一番ムゴいと思ったのは、文字通り血の海に染まる日本のイルカの追い込み漁のシーンであった。
でもやっと観れて大満足!これでもう人生に思い残すことは何もないことはない!

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最後はトビー・フーパー監督作品のオールナイト。
作品は「悪魔のいけにえ2」「スペースバンパイア」「スポンティニアス・コンバッション」「マングラー」である。全部爆音上映。完全に殺る気まんまんのラインナップ。途中、何度も気絶しながら朝までなんとか耐えた。

これで私の最初で最後のカナザワ映画祭は終わった。
残りの日程の豪華ラインナップを見ると帰らねばならぬのが悔しかった。はやく10億円ぐらい拾ってノンビリ無職の身分に出世したい。
スタッフの方々もとても親切で本当に素晴らしい映画祭だった。
「今回でファイナル!」とは言わず(きっと色々な事情があるとは思うのですが)できればゴジラみたいに何度でも復活して続けて欲しい。シン・カナザワ映画祭、カナザワ映画祭2、カナザワ映画祭ビヨンド、続・カナザワ映画祭…
その時はまた必ず行きたい。
(おわり)

※会場で頂いた、パンフレットです↓

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※追記

カナザワ映画祭、やっぱり終わりませんでした!…っていうかよりパワーアップした気がします。ウレシイ! ↓

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