彼女にちんぽが入らない

いよいよである。
本屋にちんぽが並ぶのが。

以前「ヨロシク章介 あるいはオススメの最高のブログ」という記事で、「塩で揉む」というブログを勝手に激しくオススメさせて頂いた。
そのブログを書いておられるこだまさんの本「夫のちんぽが入らない」がいよいよ発売されるのだ。

夫のちんぽが入らない衝撃の実話――彼女の生きてきたその道が物語になる。同じ大学に通う自由奔放な青年と交際を始めた18歳の「私」ドライかつユーモア溢れる筆致で綴った愛と堕落の半生。衝撃の実話が大幅加筆修正のうえ、完全版としてついに書籍化!

はたしてこの本、何本売れるだろうか?
帯の推薦文は松尾スズキさん。初版は景気よくドーンと3万部らしい。扶桑社さんのちんぽの気合いがギンギンに伝わる。
一足先にすでに読んだ方々の大興奮のツイートなどでSNS界隈もちんぽでビンビンに盛り上がっている。
夫のちんぽは入らなくても、ブックランキングにはズボーン!と入るのではないだろうか?
発売日は来週の水曜。1月18日。
もちろん私は予約済み。
当日は書店に駆けつけ!若い女性店員がレジに立ったタイミングを見計らってササッと近寄り!↓

と聞いて逮捕される予定!

ところでちんぽで思い出したのは自分のインポのことである。

ひと昔前、私は某カード会社で督促の仕事をしていた。借金を返してくれない人に電話をかけ、なぜか逆に怒鳴りちらされるという、嫌かつすごい嫌な仕事だ。

担当したのはいわゆる「多重債務者」の方々。
借金で首が回らず、もうヤケクソの逆ギレで怒鳴りちらす人が本当に多かった。
私は気が弱いため、電話で相手が怒鳴り始めると恐くてまったく言い返せない。
そんな時は、ボリュームのボタンを高橋名人のスピードで連打し、怒鳴ってる声を蚊の鳴くような小ささにし、何か相手が弱くなったような錯覚を無理矢理起こして話に取りかかっていた。

そうやって何とか毎日をしのいでいたが、ある日、体が震えるようになった。
電話の相手が怒鳴り始めると、恐怖で頭が真っ白になり、ハッキリ見た目でわかるほど、全身が指先までガクガクと震え、一度もボイトレなんかしたことないのに声も望まぬ見事なビブラートになった。
冷汗がピンチの時のカイジの量でドバーッと吹き出し、机周りにボタボタ飛び散り、周りの人たちがざわ…ざわ…することもあった。

そして、世の中ってホントうまくいかない!
全身ガクガクブルブルビチョビチョの気持ち悪い派遣スタッフなのに、なぜか新人の方たちを教える役に任命されてしまったのだ。

私の隣の席に座ったのはちょっと「北斗の拳」のユリアに似た美人新人さん。
入ったばかりで右も左もわからないのにクレーマーに当たってしまったユリアさんが、オロオロと電話応対しながら助けを乞う視線をチラチラとこちらに向ける。
その真横で、ホントは自分の電話の向こうには誰も出てないのに神妙な顔で時々あいづちを打ったりするエアー督促で、隣の席の大惨事に気づかないフリをするわけにはいかない。ただの卑怯なキチガイになってしまう。ケンシロウはそんなプチ名演技はしない。困ってる新人さんの電話を代わってあげなくてはならない。
しかしそうすれば新人さんたちに、体や声の震えを気づかれてしまう。
それを恥ずかしく思い、何とか震えを止め、自分の弱さから逃げず、困ってる人をケンシロウのように救うため、精神科で薬をもらうようになったのだ。ケンシロウは精神科にはきっと行かないが!

藁にもすがるような思いで医者の処方する薬をバカスカ飲んだ。
パキシル、アモキサン、トレドミン、セディール、ルボックスなどなど…
その結果、大した効果は出ず、副作用だけはキッチリ出た。
インポになったのである。

インポというのはどんなにがんばってもフニャフニャ。立たない。
性欲はあるのだがオナニーもできない。イカない。全然気持ち良くない。
彼女に色エロがんばってもらってもフニャフニャである。
彼女にちんぽが入らない。

これは女性側にとってもショックだったらしい。何か自分に非があるように感じてしまったようだ。
色々あって最後に聞いた彼女の言葉は
「私が…オバサンになったから…」
という、ちょっと森高テイストな、せつないものであった。

新人のスタッフの皆さんも、どんどん去っていった。
「ぼぼ…僕、でで…電話、かか…代わりますよう!」
などと真っ赤な顔で言いつつ、激おこクレーマーの電話を引き継ぎ、薬の効果などまったくなくガクガクブルブル震えながら応対し、「てめえハッキリしゃべれや!死ね!」とか怒り切られて1円も回収できず、大量の汗でヘッドフォンマイクや椅子や机周りをビショビショのグチョグチョにして去っていく私が、クレーマーよりずっと気持ち悪かったらしい。そりゃそうだ。

ちなみに薬の副作用のインポについて、医者からは事前に何の説明もなかった。
別に怒ってはいないし、この世のすべての精神科医に会ったワケではないので決めつけるワケではないのだが、精神科医というのは、外科医のような病気を治せる確固たる技術は何も持っておらず、患者の心の苦しみをわかった顔で話を聞くが結局やることは薬を渡すだけで、その際に副作用の説明などはいっさいせず、一度薬をやればリピーター化は確実だから内心シメシメでメキシコの麻薬王の顔でニヤリほくそ笑み、毎日が薬のバーゲンセール、大売り出しで、ウツ病や神経症などの心の病で苦しむ人たちを巨大なマーケットにし、「不況?何ソレ?」の大儲けで、その金でフェラーリとカウンタックを買い、城のような豪邸をさらに増築、ライオンの口からお湯が出る風呂をつけ、「神経症とSADって何が違うんですか?」とちょっと突っ込んだ質問するとあからさまにめんどくさそうな顔をし、やってることは新宿でシャブ売りさばいてるプッシャーと同じなのに善人ぶってるだけタチが悪く、そんな自分を1ミリも疑いもしないキチガイばかりなので医師資格の不正取得がバレてネットでだいぶ怒られろ!と思った。

ちなみに私は今はノードラッグである。
ひどい時期はヤケを起こし、精神薬をツマミにウォッカをラッパ飲みしたりしてたが、ある日、大決心をしてキッパリやめた。
薬を全部捨て、通院もやめた。
その結果、インポはグングンV字回復!あっという間に治った。今はもうギンギンである。
しかし彼女はいないので完全に宝の持ち腐れ状態。世の中ってホントうまくいかない!
(おわり)