ひみつのラーメン二郎

ラーメン二郎が好きだ。
いわゆる「ジロリアン」と呼ばれる熱狂的なファンの方々ほどではないにしても、やはり週1ぐらいで恋しくてたまらなくなる。
「あの太いのが食べたい…」と、サラリーマンの旦那に死ぬほど働かせといて自分は出会い系で巨根のセフレ探しに夢中の白金在住のイカす有閑ヤリマンマダムみたいなことを思う。

「ラーメン二郎?そりゃ誰ね?広島太郎みとうなもんね?」
という、私の父のような方のために「ラーメン二郎」について一応簡単に説明させて頂く。
様々な店がシノギをけずりまくるラーメン激戦区の東京とは違い、地方によっては二郎系のお店がなく、ご存じない方も多いのである。
ラーメン二郎とは…コレである。↓

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ラーメンの限界を超える極太麺、セレブ美食家たちの顔をしかめさせるザマアミロな破壊力の超濃厚スープ、神をも恐れぬ高さの山盛り野菜、そして野菜、ニンニク、アブラ、辛さを無料で増し増しできる豪快太っ腹システム…
無理な方は途中でギブアップ必至。食えない。
その食べる人を選ぶ強烈な個性で「ジロリアン」と呼ばれる熱狂的なファンを獲得、都内にいくつもの店舗を展開している超ラーメン…それがラーメン二郎なのだ。

ひと昔前、東京に住んでいた頃、週に1度、日曜だけ、新大久保で副業のバイトをしていた。
その時は帰りに必ず「ラーメン二郎 小滝橋店」に寄った。

バイト終了後、夕闇の中を二郎めがけてひたすら歩く。「頼む!空席よ!あってくれ!」と祈りながら歩く。何せ店舗によっては「毎日がドラクエの発売日!」みたいな行列なのだ。

やがて遠くに二郎の黄色い看板が見えてくる。
高鳴る胸。こみあげるツバ。近づく二郎。空席はあるか?どうだ?あった!やった!

店に入りイソイソと食券を購入。ラッシュ時の電車でおばあさんを蹴散らして座席を奪うおっさんサラリーマンの顔で空いてる席にすべりこみ「野菜、ニンニク、アブラ増し増し、辛めでお願いしますっ」といつも通り注文。ひたすらウキウキソワソワしながら待つ。
これほど「待ち時間」というものを長く感じることが人生において他にあろうか!いやない!「二郎待ち時間」それは………特にいい例えも無い!

そしてついに、「お待たせしました!」の声と共に、お待たせされたいい例え無し男の前に二郎がその頼もしい姿をあらわす。
そびえ立つ野菜の山。麺なんか見えない。スープを一口だけすする。
待ちに待った、恋い焦がれたあの濃い味(恋味)が口中に、幸せが胸中に広がる。
あとはひたすらムサボリ食うべし!食うべし!食うべし!

ところが…
あまりのボリュームに途中でだんだん苦しくなってくる。
だんだん拷問めいてくる。
あんなに楽しみにしていた二郎なのに、店に入ったのを後悔すらしてくる。
「まだ、こんなにある…先は長い…苦しい…でも残したら何か悪いし…」
ベルトをゆるめ、水を飲み、汗をぬぐい、油まみれになりながら、キチガイ女教師に完食できないのを怒られ5時間目始まっても一人だけ給食を食べさせられてる小学生の顔で苦行のように食べ続ける…

何とかやっと完食。店を出る。
全身ベチョベチョのギトギト。真夏ならなおさら脂汗増し増し。
お腹もパンパン。口は臭いし、ニンニクパワーでオナラも景気よくブー!このままデートには絶対に行けないレベル。デートの予定はそもそも無いが。
「ああ、もうこれでもうラーメン二郎に来るのはひかえよう。苦しいし…太ったらイヤだし…」
…と決意して次の日曜、競歩選手の歩き方で二郎へまっしぐらの私がいるのだった。

二郎ラーメンの魅力に一度はまったならば!もう決して抜け出すことはできない!
食べたら苦しいのに!わかってるはずなのに!やめられない!
これはもう禁断症状だ!中毒だ!
二郎ラーメン。そう…それは麻薬…

私は、なぜ二郎ラーメンをこうも体が欲しがるのか…?不思議に思うようになった。
そしてある日曜の夕暮れ。
いつも通りカウンターで二郎待ちをしている時。
私は見てしまった!のぞき込んだ厨房の中に!見てはいけないものを!二郎の秘密を!
店員さんが背中を丸め、ズラリと並べた丼の底に「謎の白い粉」をスプーンで山盛りドッサリ入れていくのを!
禁断症状…
中毒…
まるで麻薬のように、やめたくてもやめられない二郎の不思議…
つまりあの「謎の白い粉」は……! ↓

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…と、当然そんなワケはなく、ラーメン通の人に聞いたらあの「謎の白い粉」は「味の素」とのことでした。
当たり前だ。大都会のど真ん中で「ハイッ!コカイン大盛りラーメン一丁!」なんてあってたまるか。

ん?
待てよ?
じゃあ、二郎のあの強烈なスープの濃さは煮込んで濃縮された的なモノではなく、化学調味料ぶっ込み味だったってこと?
イカす。
二郎ラーメン食うのに、健康なんか気にしてられるか!グルメがなんだ!ヘルシーがなんだ!スムージーなんぞ畑にまいてしまえ!

さて、東京を去り、広島に帰省した私は案の定、重度の二郎ロスに苦しむことになった。
濃厚スープ太麺大盛り系のカップ麺にモヤシとニンニクを大量にトッピングして食べたりしてみたが「コレジャナイ感」というものをこれ以上ないほど味わって食後にションボリするだけであった。

しかし最近、見つけた…!
二郎に影響を受けた、いわゆる「二郎インスパイア系」のお店を!
二郎スピリットを申し分なく受け継いだ至高の一杯が食べられるお店を!
原チャリで行ける範囲に!
以来、休みの日は必ず、それがたとえ台風の日でも、カッパ着込んでそのお店目指して爆走する私がいる。
それが広島市内の西区にある「JIDAI」というお店であることは、これ以上お客さんが増えて入れなくなったら困るからひみつにしておこう!

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■JIDAI
広島市西区中広町2-4-1
・営業時間 11:30~15:00 17:30~21:00
・定休日 月曜日
・駐車場はないです

(おわり)