80年代のおすすめアニメ映画 その③

ハリウッド版「GODZILLA」を観に行った。
ゴジラの孤高な地球番長っぷりに惚れ惚れ。ああいう人に一生ついて行きたいと思った。

 

しかし、みんながこの作品を観てしまったからには、今後、日本でゴジラ映画を撮るのは、かなり厳しくなってしまうのでは…?
いっそのこと、意外な人に、監督を任せてみてはどうだろう?

 

荻上直子監督 「ゴジラ」
時折ゴジラが現れるという海辺。避難することもなくノンビリとマイペースで営業を続ける一軒の海の家。
そこの女主人(もたいまさこ)と様々な事情を持つ来客との交流を、ゆったりと描く。

北野武監督 「ゴジラ BEYOND」
でけえツラして歩いてんじゃねえぞ!バカヤロウ!コノヤロウ!

山崎貴監督・VFX 「ALWAYS YOUR FRIEND ゴジラ」

 

3つ目に関しては…まったく可能性が無いと言えなくもないような…
「寄生獣」ヌルい映画になってませんよ~に!とりあえず「ぱふぁ…」と「バツン!」はやってくれてるみたいなので大期待!
そんなこんなで「80年代おすすめアニメ映画」の続きです。

 

 

80年代のおすすめアニメ映画 その③
その➁はこちら

「北斗の拳」
1986年 監督:芦田豊雄
北斗の拳
少年ジャンプで大人気連載中だった「北斗の拳」のテレビアニメ化が決定した時、喜びと共に1つ、懸念事項があった。
それは「スプラッター描写はどうするのだろう?放送コードに引っかかるはず。無理ではないか?」というもの。

 

ドキドキしながら見たテレビアニメ版「北斗の拳」は、ワル者の体が無残に飛び散るシーンを、透過光(後ろから光をあてて被写体をボンヤリと光らせる)やシルエットで表現。
見る側にイメージさせる緩和表現を採用。
それはそれで素晴らしいアイディアで、毎週ワクワク見ていたが、個人的には少し食い足りない感があった。

 

そのため「北斗の拳、劇場用アニメ映画化!」が発表された時は
「これで放送コードに縛られない、血しぶきホルモン全開の『北斗の拳』が見れる!ヒャッハー!」
と子供の頃から趣味のおかしかった私は大喜び!…と思ったら、アレ?アレレ?コレじゃないるれ。

 

今回、DVDで観なおしたら、肝心のスプラッターシーンで画面が青くなったり、キモをつぶすエフェクトがかかったりしていた。
アレレ?劇場公開時もこうだったっけ?
何しろ、好きだったユリア似の女の子が、結婚して、子供ができて、その子が大きくなって、安心して、気がゆるんで、体もゆるんで、ハート様似のオバチャマになるぐらい昔のことなので、記憶が定かではない。

 

ハート様と言えば、劇場公開版では確か名前が「エレファント様」に変更されていたと思う。しかしDVDでは「ハート様」に戻っていた。なぜだ!?スプラッターシーンといい、DVD化の際に何か自主規制的な悲しい変更がなされたのであろうか?それとも単なる私の勘違いか?

 

とは言え、テレビ版よりはハードな残虐描写と、ハイクオリティーな作画が楽しめる、ちょっとお話は平坦でダラダラしなくもない…なんか可愛い映画になっている!

 

食料や飲み水にさえ困る荒廃した世界…なのにモビルスーツぐらい大きくわんぱくに育った悪党たちが大暴れ。
牙一族の長などは、飛びかかる敵を片っぱしから進撃の巨人チックに食い殺してます。

 

ケンシロウも負けてはいない。何年も谷底で眠っていたが、可憐な少女リンの叫びに応えてウェイクアップ!土くれにつつまれた岩石魔人のような異様な姿でカムバック!腕で高層ビルをゴバーン!ゴバーン!とゴジラみたいになぎ倒しながらウォーキング!倒れてきたビルがドーンと頭にぶち当たってもお構いなしにノッシノシ!
凄まじい超人ぶりに劇場内がニコニコどよめいてました。(ちなみに「ヒゲもじゃのケンシロウ」という何かレアなショットもあり)

 

レイとラオウのタイマンシーンでかかる、うじきつよしさん率いるKODOMO BANDの「HEART OF MADNESS」も燃えた!

 

 

「王立宇宙軍 オネアミスの翼」
1987年 監督:山賀博之
王立宇宙軍 オネアミスの翼
何もしない役立たず集団とバカにされる宇宙軍が、人類初の有人人工衛星の打ち上げに挑む。

 

「若いスタッフが集結して、何かすごいアニメ映画を作ろうとしているらしい!」と、当時のアニメファンの間で非常に注目度が高かった作品。
スタッフのインタビューや、坂本龍一の起用、力の入った宣伝などからも、並々ならぬ熱意、決意をビンビン感じた。それこそ宇宙軍のみんなが、ロケットの発射にすべてを賭けるのと同じような。

 

興行的に失敗したと後に聞いたが、私が観に行った時は超満員。
私は今もバカだが昔はさらにバカだったため、作品の深いところまではよく理解できていなかったと思うが、それでも充分満足して劇場を後にした。

 

主人公のシロツグが暗殺者に追い詰められ、逆襲に転じて殺害するシーンは、異様な怖さ、ナイフが肉に突き刺さる感触が伝わってくるような生々しさを感じた。

 

ヒロインのリイクニがレイプされそうになるシーンは
「何か…オッパイがプルプル揺れる感じとか…何か…リアルでエロい!」
とリアルオッパイなんか見たことなかった私はドキドキ。
後であのシーンの原画は、マンガ家の江川達也先生が担当したと聞き、なるほどそりゃエロいワケだと大納得。

 

クライマックスの、戦闘が展開する中でロケット打ち上げを敢行するシーンは、サスペンスに手に汗握った。

 

ちなみに、安田成美さんが「ナウシカガール」として「風の谷のナウシカ」を歌っていたのにならってなのか、「リイクニガール」と称する女の子が「♪リメンバミ~アゲ~ン♪」というサビのテーマソングを歌い、それが映画のテレビCMでもバンバン流れていた。
しかしこの歌、よく聞いてみると、不良と優等生カップルの2人のハーモニーがどーのこーのみたいな、男たちの尊厳と命をかけたロケットの打ち上げとビタ一文関係ない、ゴリゴリのアイドルソングであった。
本編では流れなくて良かった!ステキにカワイイ名曲だけど!

 

 

 

 

 

「AKIRA」
1988年 監督:大友克洋
AKIRA
凄まじく緻密な描き込み、破格なサイズの単行本とその斬新なデザインなどなど…
「AKIRA」の登場は、当時、何もかも衝撃だった。「何か新しいことが起こっている!」という驚きに満ちていた。

 

私とは正反対のイケてるサッカー部とかの普段マンガにはほとんど興味のない男子の本棚にも、あの分厚い単行本がガッツリと並んだ。「AKIRAを読んでいる」ということが、カッコいいことだったのだ。

 

原作者の大友克洋さんが自ら監督した映画版も驚くべき作品だった。
プレスコで収録された独特のセリフ回し、通常のアニメよりもセル画の枚数が多いなめらかな動き、芸能山城組のオリエンタルな音楽(登場人物の名前を連呼している歌詞の斬新さにシビれた!)、そしてその音楽に合わせて展開される、冒頭の暴走族の抗争シーンで、もうすでにテンションMAX!祭りだ!祭りだ!ラッセイラ!

 

今観ても、まったく古びてないところも凄い…っていうか、作品の中に出てくるようなデザインのバイクを、ここ数年、街で実際に見かけるようになった。物凄い時代の先取り感覚。

 

ハリウッドで実写映画化のウワサが浮いたり沈んだりしているが、もう大友オマージュ全開の「クロニクル」を観てしまったので、楽しみなような微妙なような!

 

 

…以上、3回に分けて「80年代のおすすめアニメ映画」を紹介させて頂いた。
最近のアニメファンの方に、少しでも昔の良い作品を知って欲しくて、ついダラダラと長くなってしまった。
申し訳ない。オッサンも若者に謙虚に謝る。人間、いくつになろうとも謙虚さを失ってはならない。
紹介させて頂いた作品に、少しでも興味を持って頂けたら、とても嬉しい。
でも、もし観て頂いて「つまらない!」と感じられても、ワシは死ぬほど好きなので一切絶対断固として謝らない!
(おわり)

 

 


 

ところで話は全然変わりますが、ネット上にマンガを掲載することにしました。
公開日は10/16
枚数は18ページ

 

なぜ、こんなどうでもいい宣言をするかと言うと、「暑くてだるいから」といって、サボったりせぬよう、自分を追い込むためである。
…というワケで現在は、気持ちを引き締め、「モノを創る」ということに対して改めて襟を正し、マンガ製作に真摯に取り組んでいる ↓

服着ろよ

しかしアナログ全開で原稿を仕上げて、その後、どうやってネット上にあげるのか…?の知識は皆無。
もしダメだったら「来年の10/16でした~ッ!や~い!」とオドケて一生誰からも相手にされなくなろう!