先日、ドドコさんのスペシャルライブ「生きるのです。」を観に行った。
ドドコさんは広島のアングラカルチャーシーンを中心に全国あちこちのライブイベントに出演。歌にダンス、詩の朗読など、パワフルに活動なさっている女性シンガーソングライターだ。
パッと見は色白の大変チャーミングなお姉さん…が「下ネタ上等!もっと酒持ってこい!」の宴会スピリット全開で、平成の世に転生したアメノウズメみたいに歌い踊る、独特な、イカすげすい品格を持っておられるアーティストだ。
ちなみに以前は、これまた大変チャーミングな千夏クレイジーさんと一緒に「ドドナツクレイジー」というキチガイみたいにカワイイ女性ユニットで活躍。
その時もライブのMCで、客席の女子高生に向けて「フェラチオのやり方」について身振り手振りを交えて延々と解説されていた。歌と同じぐらい情熱と真心がこもっていた。↓
さて、この日のライブ。
始まるのを待ってる間、場内にずっと流れていたのは大谷健児さんという方の歌。
可憐なアイドルの女の子が出てるボディーソープのCMで流れててもおかしくないような、さわやかな良く通る美声で歌われるキャッチーで美しいメロディー。
そしてそこに「♪君はしょせん肉便器~♪」とか、「♪ベビーカーをけりとばせ~ そしてガキを踏みつぶせ~♪」とか、「♪学校に無断で入り ナイフ振り回して その後ルルルル~♪」など、この世のすべてを汚し尽くす地獄のような歌詞がのった地獄のような歌で、ドドコさんの趣味が感じれてニヤリ。
そしてバングルをシャリーン…シャリーン…と鳴らしつつ呪文詠唱のような詩の朗読で始まったライブ。もうしょっぱなからドドコさん節全開マン開フルスロットル!
「♪となりのおうちはよく燃える~♪」と物騒な歌をかわいく景気よく歌い踊り!
「♪さわりたいよ君のちっちゃなあそこ♪」という歌詞のところで客席に突入!男性客のチンチンをムギュ!とワシづかみ!
あげくの果てにあろうことかポロリまであり!
ガーン!けしからん!何ということだ!何という悲劇だ!老眼でよう見えん!もっともっと前のほうの席に座っておけば良かった!ガーン!…と人生最大級の後悔の雄叫びをあげた。
その他にもキャバクラの忘年会のような(音楽のライブだけど)おもしろ出しモノ目白押し!
例えば、先ほどライブ前に流れていた「♪君はしょせん肉便器~♪」というひどイイ歌の大谷健児さんが書いた詩を朗読するというコーナー。
吹くと風船がふくらんでブ~と鳴る毛笛を客席に配布。
「本当にひどい詩なので、私の朗読をその毛笛の音でかき消して下さい。」
とのこと。しかしいざ聞いてみると「ベッキーの経血を飲み干したいっ!」など、本当にひどい詩で、毛笛の音がブ~ブ~と災害発生時のサイレンばりに鳴り止むことはありませんでした。
他にも「オッパイ枠」と称して七瀬カオリさんというGカップを誇る魅惑のワガママボデエのお姉さんが登場。
「あのぉ…Gカップっていうのは女性の中で2%しかいないんですよ。だから私、偏差値高いんですよ。」
と、もしかすると一般的には偏差値が低いと思われてしまうかもしれないがワタシ的には非常に偏差値の高い、いや100点満点の巨乳アイドルトークを投乳!たくましいオッパイをユッサユッサとワイルドにゆらしながらステージ上で縄跳びをし、ジャンケン大会で勝ったお客さんにオトナのオモチャをプレゼントし始めた時は、もう自分がどこに来て何をしているのか、そしてこれからどこに行くのか、すべてを完全に見失いました。
こうして書いてるとドドコさんを、けしからん色ものキャラと勘違いされてしまうかもしれない。
しかし違う。
ゲストのアンソニィーさんの美しいピアノ伴奏で「今日はライブです 生きるのです」と歌う切なさ。
幼き日にイジメを受け、それでも「みんな友だち」と歌う痛ましさ。
「君がいると信じない どこかの宇宙で笑う君がいると信じない また明日 またいつか」と歌う孤独さ。
これらのシリアスな歌は、ジワリと心に染み泣ける。
また柳ジョージさんのカバー「酔って候」は不埒な感じで最高にカッコいい。
そしてキャンディーズの「年下の男の子」、中山美穂の「WAKU WAKUさせてよ」などのアイドルソングのカバーはフリフリの振りつけも可愛く萌える。ドドコさんにとても似合っている。
きちんと歌やパフォーマンスで、グイグイお客さんをのめりこませることができる確かな才能、インテリジェンスを持っておられるのだ。ちょっとハスキーな声もすごくイイ。
中でもこの日、圧巻だったのは久保モリソンさんとAFTER EFFECTさんをゲストに迎えて行われた、詩の朗読劇である。
まるで、虐待で飛び散った血が安アパートの畳を腐らせ、穿たれた穴が地獄の最下層コキュートスまで繋がってしまったような、神曲・聖書級のスケールを感じさせる壮絶さ&荘厳さ。
久保モリソンさんのシブい声、ATER EFFECTさんの心に後遺症が残りそうな不穏ムードな曲の演奏も効果満点。
その中で体をよじり、床に伏し、呪詛をふりしぼるように詩を朗読するドドコさん。圧巻だった。みんな固唾を飲んでジッと聞き入っていた。ライブ序盤のチンチンムギュ!は何だったんだと思った。
この何かが憑依したかのような迫力。ドドコさん、女優とかもどんどんやってみるといいんじゃなかろうか?
女優といえば、ドドコさんが演奏していた楽器に戸川純ちゃんのステッカーが!
ドドコさんもきっとファンなのに違いない!私も好きなので勝手にトモダチンコな気分で何かうれしかった。いつか純ちゃんのカバーなんかも聞いてみたい。
ラストは「ウサギのダンス」という曲。
「♪みんなで踊ろうウサギのダンス♪」という歌詞でホントにみんな踊るノリノリの曲。
ゲストの皆さんも全員再びステージに立ち、ウサギハットを装着!お客さんもみんなで一緒になって踊るという大団円感満点のエンディングだった。地獄の最下層コキュートスは何だったんだと思った。
そして、まさか自分も踊ることになるとは思わなかった。
ダンスなんか踊ったのは高校の体育祭のフォークダンスで女子に「倉井の手なんかヌチョヌチョしとるんよ。」と言われた時以来である。
ヌルヌルならいい。
ベチョベチョでもまだいい。
しかしその二つを悪魔合体させたヌチョヌチョという「Comic快楽天」に載ってるエロマンガの中でしか見たことがないオノマトペを使うなんて君はしょせん肉便器なのでどうでもいいが、あの時しっかりと植え付けられたダンス恐怖症のようなものを、ドドコさまのおかげさまでケチな自意識と共に無理矢理ひっぺがされた気がしてとても良かった。楽しかった。
途中にブッこまれたガッチャマンの歌も完全にワケがわからなかったが確かにあの瞬間、地球は一つになっていたような気がした。
アンコールで、先ほどのセクシーきわまりない七瀬カオリさんと共に、この日2度目の「となりのおうちはよく燃える」を、ステージを飛び出し、会場せましと走り回りながら燃えて歌ってライブ終了。
ハアハアと息を切らしながら「ああ…楽しかったあ…」とつぶやいたドドコさん。燃え尽きて灰になった矢吹ジョーばりに美しかった。なんか後光が差していた。
ドドコさんはブログやTwitterのプロフィールの欄などに「下品」とよく書いておられるが、根本的にはけっしてそんなことはないと思う。
今日のライブも、美しい愛や情熱が様々なアイディアと共に詰め込まれパンパンに怒張したチンチンの大暴れみたいなイカすパフォーマンスだった。
またいつか観に行ける日まで「生きるのです。」と思った。
(おわり)
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