みんな、賢いなあ…

ぐわあ!
悪い!頭が!
わからん!映画が!

 

たいていの人はみな、子供の頃、幼さゆえの全能感を持っていたと思う。
「自分は特別な人間のはずだ」と。
私もそうだった。
「自分は特別な人間のはずだ」と強烈に思っていた。
そして、それはどうやら事実のようだ。
一般人の皆様、申し訳ない。
残念ながら、私は特別だ。
特別、頭が悪いようなのだ!ぐわあ!

 

名作落ち物パズルゲーム「ぷよぷよ」の連鎖が1個も作れない。
ルービックキューブが1面もそろえられない。
マージャンは、待ちがわかるのは2つまで。
シュンツは、多面待ちになることが多く怖い。
よって、コーツを好む優しい打ち筋。
好きな役はスーアンコウ。
当然、まったく上がれない。
バイト先の後輩たちから「人数合わせ要員」と呼ばれ、したわれたものである。

 

そんな特別な私であるから、当然、映画を観ても、内容が理解できないことが多い。
特に、登場人物が多く、複雑な人間関係が描かれたりすると、混乱のドツボにはまってさあ大変。
高校生の頃「ゴッドファーザー」を観たのだが、誰が誰だかサッパリわからなかった。
マランザーレとかペスカトーレとか、おいしそうなイタリア語の名前を連呼され、ジャンジャン色んな怖そうな人たちを出されても、当時の私の頭では、まったくついていけず。
鑑賞後の感想は「うる星やつらの作者、高橋留美子先生は、言葉使いだけで、どのキャラクターか判別できるように気をつかっていると言っていた。この監督は留美子先生を見習って、もっとキャラの描き分けに気を使うべし!ルーミックワールドに入門して出直すべし!」というものであった。
映画史に名を残す巨匠コッポラに、逆切れしたうえ「ルーミックワールド」をリコメンドするバカ男子。

 

時がたち、そんなバカ男子も立派なオヤジとなった。
しかし「バカ度」変わらず。
ライムスターの宇多丸さんが、昨年、TBSラジオ「ウィークエンドシャッフル」の中で、韓国映画「哀しき獣」を激オシなさった。

 

宇多丸さんの熱にあてられ、私も、期待に胸を膨らませて鑑賞。
以前にこのブログでも少し書かせて頂いたが、凄まじい暴力描写を堪能。
でも……話がところどころ良くわからなかった……

 

「あれ?この人が何でこの場所を知ってるんだっけ…?」などと疑問を感じても、小説のように読み返すことはできない。
映画は凄まじいテンションで進んでいく。
私の頭では整理が追いつかない。
それと終盤の銀行の「例のシーン」も、どうもハッキリと理解できず。
牛骨で敵を撲殺しまくるミョン社長がチャーミングで、総合的にとても面白く観たのだが ↓

 

悲しみの体育座り

 

…と、ストーリーがよく理解できなかった自分の頭の悪さに、ヒザを抱えて落ち込むこととなった。

 

「自分は普通ではない。人より劣っている」と感じるのは、とてもつらい。
昨年、日本でも公開され、話題になった「裏切りのサーカス」。

 

名作と評判の一方、登場人物が多く、人間関係も複雑でわかりにくいというウワサがチラホラ。
非常に観たいと思いつつも、また自分の頭の悪さを思い知るのが怖くて、つい敬遠していた。
ところが、映画秘宝の「2012年度 ベスト10」の第9位にランクインしているではないか!
これはつまり、大多数の人が、理解でき、楽しめたということ!
なんだ良かった!
私も秘宝読者!
じゃあ大丈夫!
危うく名作を見逃してしまうところだった!
安心して「裏切りのサーカス」をDVDでウキウキウオッチング! ↓

 

悲しみの体育座り

ぐわあ!
悪い!頭が!
わからん!「裏切りのサーカス」が!

(おわり)