「人生相談番外地」in 横川シネマに悩み相談あり!

秋。10月。四国の松山に行ってきた。
広島から船にゆられて3時間。杉作J太郎さん主催の「センチメンタルコリーダ映画祭」を観に行くためである。

 

 

マンガ家、コラムニスト、ラジオパーソナリティー、テレビタレント、映画監督などなど…マルチきわまりない活動とその圧倒的な人間力で、文化系アウトローたちのハートをガッチリとらえて放さないカリスマ。男の中の男。杉作J太郎さん。

 

 

そのJ太郎さんチョイスの濃いプログラム。もちろん面白トークショーつき。
そして何と言ってもJ太郎さんがメガホンを取り、クランクインしてから早10余年、幾度もの追加撮影、再編集を繰り返し、未だに完全完成形態を見せぬ映画界のサグラダファミリアこと「チョコレートデリンジャー」の貴重な上映!

 

 

「こりゃ満員御礼間違いなし!楽しみ!しかし頻尿の私は映画の途中でオシッコに行かざるをえないことも多い。満席だと端っこの席じゃないと立ちにくい。私的に良い席に座れるだろうか…」…と色々ドキドキハラハラしながら会場についたのだが何とビックリ!お客さんは私を含めて5人…オシッコどころかその場でウンチもらしてもばれなそうなぐらいすいていた。(この日はまだ地元の皆さんに告知が行き届いてなかったらしい)

 

 

そして館主さまが一人の女性のお客さんに
「わざわざ大阪からいらしたんですか、じゃあアレをやりましょう~」とおっしゃるのが聞こえ、「アレって何だろう?」と思っていると、J太郎さんの短編作品「恐怖の館」「続恐怖の館」を急に上映開始。
なるほど、この2作は「不定期上映」とパンフレットに書いてあったがそういうことか。なかなかステキなゆるゆる感満載でスタート!
どの作品も面白かったが、特についにやっと観れた「チョコデリ」!

 

 

基本的には原作をコントのように再現しつつ、NGシーンやメイキング、関係者インタビュー、なぜか犬山紙子先生の結婚式の様子までぶっ込むというムチャクチャかつメチャクチャ楽しいサブカルオールスター映画。
グラマラスきわまりないボディと、ちょっと鼻にかかる声がアンビバレントな魅力の松本さゆき嬢。原作のチョコちゃん通り、大胆なコスプレ&露出っぷりを魅せてくれ、悶絶必至のかわいさ。観れてよかった!

 

ちなみにこの日は奇しくも、主題歌を歌っておられた遠藤賢司さんが亡くなられた直後だった。
今回の「チョコデリ」はエンケンさん追悼バージョンだったのかもしれない。また観る機会があった時はまったく違う姿にトランスフォームしているのかも。「チョコデリ」は完成することなくドロドロと溶けては凝固し形を変え続けていくチョコレートな唯一無二の変映画でいいのかもしれない。

 

ところで、客足がちょっとセンチメンタルでもJ太郎さんは一切手を抜かず、客席の我々5人に向かっていつもの面白トークをぶっ話してくださり心底感動。さすが「男の墓場プロダクション」の局長。まさに男の中の男。「我、死する時は、願わくばJ太郎さんの元、男の墓場で」と思った。

 

 

 

終了後のロビーでも「山口組の田岡組長のルーツは平家の落ち武者では?」という俺ジナル説を熱く楽しくナイショで繰り広げておられ、そんなJ太郎さんをみんな囲んでニコニコ。サインにも快く応じてくださり、お菓子まで頂いてしまった。
「少人数でJ太郎さんを独占できて贅沢。すいてて逆に良かったのかもしれない。」と大満足で風情あふれる街、J太郎さんの故郷、松山を後にした。

 

 

それから深まった秋。11月。
そんなJ太郎さんが今度は広島にやってこられた。
吉田豪さんとのイベント「人生相談番外地」のためである。

 

 

場所はさまよえる広島サブカル野郎のオアシスこと横川シネマ。学校の予防接種ぐらい長蛇の列。満員。補助椅子も必要なぐらい大盛況。そう!悩み多き我々の人生にはお二人のパワーの注入が必要!

 

 

客層はロリータ女子から老夫婦まで本当に幅広い。
配られたアンケート用紙に、J&豪さんに相談したいことを書き、前に置いてある箱に入れる。その中から豪さんが選んで読み上げ、Jさんが答えていくという形で進行。

 

例えば「ご当地アイドルの握手会によく行くのですが緊張して何を話せばいいのかわからない」という20代男性の相談に
「アイドルと言えばオッパイ…オッパイといえば松本さゆき、優香…優香のオッパイが背中に当たったことがあるが本当にふっくらと柔らかかった…ふっくら柔らかいと言えば昔、何かの撮影で安達祐実さんが私のヒザに腰掛けたことがある。当然スカート越しに座ると思ってたらまさかのダイレクト。私のヒザと安達祐実さんのお尻を隔てるものは薄いパンティーの生地一枚…私は10代だったら絶対射精してました。あの時、ヒザにハッキリと感じましたよ。安達祐実さんのふっくらとしたマ〇ンコを…………で、何の話でしたっけ?」
と連想ゲームみたいにコロコロ話題が変わっていき、スタートもゴールも見失うがひたすら面白いいつもの杉作J太郎節がこの日も炸裂!
吉田豪さんの「転がるままにしゃべり続けてたらそうなりますよね。」という嬉しそうな突っ込みも楽しい。
プロインタビュアーであり、クールな観察者の表情を持つ豪さんが無防備に爆笑されるのは、J太郎さんと話している時以外、あまりないような気がしている。豪さんはホントにJ太郎さんが好きなんだと思う。

 

その他にも30代女性の「セックスレスです」という悩みには「毎日一人で旅行して旦那を不安にさせろ。円満な家庭でなくせ!」
「片づけができない」という悩みには「その家をそのままにして引っ越せ!」など、大胆かつ斬新な回答を連打。客席は爆笑の渦。

 

中でも30代男性の「女性がオシッコをしてるところを見ると興奮します。どうすれば合法的にそれを見ることができるでしょうか?」という切実かつド変態な悩みに
「のぞくから犯罪になる。だから小さな居酒屋とかでよくある、男と女で分かれてない男女共用のトイレで…↓

 

 

…という回答には、みんな体をよじって笑っていた。
放送禁止用語もバンバン飛び出すのだが、誰も眉をひそめたりしない。お姉さんもお父さんもお母さんもみんな爆笑。J太郎さんの独特オンリー1な人間力がなせる技だ。

 

ちなみに私も、これだけ人がいるのだからどうせ読まれないと思い、自分の現状をアンケートにつづってみた……ら思いっきり読まれてしまった。
どんな内容だったのかは秘すが、豪さんが読み上げたとたん、あまりの暗さに場内大爆笑。
そしてJ太郎さんから「今はひたすら我慢!胆力!これだけしんどいのだから今後はもう何が起こっても大丈夫!」と力強いお言葉を頂き、フツフツと胆力が湧いてくるのを感じた。本当に来て良かった。

 

そんな素晴らしいイベント「人生相談番外地」だが大きな不満がある。
年に1度しか行われないことである。
少なくても年に4回…いや!できれば月に1回ぐらい開催して欲しい!年に1度じゃ少ない足りないもっと観たい!それが悩みです!…って用紙に書けば良かった!
(おわり)