「ジョジョ」というと、若いファンの皆さまの中には「連載途中から入って、過去にさかのぼって読んだ。」という方も、当然たくさんおられると思う。
しかし私のような、ジャンプ黄金期に輝きのかけらも無いドンヨリした青春をションボリ送ったオッサンは、その点ちょっと年季が違う。
「ほほう!では第1部からリアルタイムで読んどるんね?」とおっしゃるかもしれない。
違う。
「魔少年ビーティー」からリアルタイムで読んどるのだ。
当時のジャンプは(今も?)「人気がなければ10週で連載打ち切り」というマシリトイズムあふれる厳しい編集方針。
あまたの作家さんたちが、それがたとえジョージ秋山先生のような巨匠であっても、容赦なく連載を打ち切られていく阿修羅地獄のような様を幾度となく見た。
そんな中、荒木先生の初連載「魔少年ビーティー」は単行本1巻分、次の「バオー来訪者」は単行本2巻分で連載終了。
私は2作とも大好きで夢中で読んでいたためションボリ。
「この荒木飛呂彦いう人、せっかくデビューしたのに、どのマンガもすぐ連載終わってしもうて…ばり落ち込んどるんじゃないかのう…大丈夫かのう…」
と、中学生男子なのに、おばあちゃんみたいな余計なお世話な心配をしていた。
「バオー来訪者」に関しては連載が終わってしまった時、サブカル度の高いアニメ雑誌「OUT」で特集記事が組まれた。(OUTじゃなくてファンロードだったかも?)
「ああ!やっぱり好きな人、早すぎる連載終了を悲しんどる人が、たくさんおったんじゃのう!」とうれしかった。
その時、荒木先生のあのハンサムなお顔の写真とインタビューも掲載されていた。
「バレンタインにはチョコが山ほど届く。」というようなことが書かれており、ムギチョコの1個たりとて届かぬ私は「心配して損した」と思った。
そして「ジョジョの奇妙な冒険 ロマンホラー深紅の秘伝説」の登場である。(当時はこういうサブタイトルだった)
衝撃だった。
今ではめずらしくないかもしれないが、当時は「主人公が外人」というのがもう異例!
「メメタア!」「ファアゴオオッ!」など、今まで見たことのない、しかし感覚がビンビン伝わってくる斬新な擬音!
後に「ジョジョ立ち」と呼ばれることになる、迫力にまかせて膨れ上がり、ねじ曲がるキャラたちの肉体とポーズ。
「お前は今まで読んだ名セリフの数を覚えているのか?」と聞かれたら返答につまるぐらいの数々の名セリフ!アルファベットを使うという衝撃のアイディア「URRRY!」
そして人気絶頂でのまさかの主人公の……!!!
毎週、何かしら斬新な試み、驚きがあった。
デビュー後2作続けての早めの連載終了に、臆病になって無難な道を選ぶどころか、誰も分け入ったことのない世界に突き進み、タイトル通り冒険に挑む荒木先生の強さ・凄みを子供心に感じた。
そしてその冒険心が数々のタブーを破り、パワフルに人気を獲得していく様子をリアルタイムで見ることができたのだった。
この奇妙な冒険の、その後の気が遠くなるような大成功については私が言うまでもないだろう。そしてもちろん冒険は今も続いているのだ!
…と、このように非常に個人的に思い入れの強いマンガ。
なので先日公開された実写版映画も、もちろん劇場までシュゴオ!とジョジョ走りで観に行った。
「つまらんかったら、このスエレイツォ容赦せん!」と思っていた。
でも面白かった。
人気俳優さんたちの豪華コスプレ大会を堂々とやり切っていて楽しい。娯楽に徹した三池監督、立派だと思った。
そんなワケで今回はこの「実写版ジョジョ」のレビュー…はもう日本中のすべてのブロガーがやってると思うので、ここはひとつ!ひと昔前に上映されたアニメ「劇場版ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド」の思い出について少し書いてみたいと思う。
「レビュー」とかじゃなくて「思い出」。
なぜこのようなボンヤリ記事なのかというと、10年ぐらい前に1度観ただけなので記憶がボンヤリ。そしてこのアニメ、どういうワケかソフト化されてないので確認も無理。
その上、後に作られたテレビアニメ版とイメージが入り交じりグチャグチャ。
かつ、私自身もう老化が進み、命を吸い取られたシワくちゃな新手のゾンビッみたいになってるので、詳しい作品レビューを書こうとしても無駄無駄ァ!
しかしこのまますべて忘れてしまう前に、たとえ不完全でもわずかでも書き残しておきたい…。
なので、ダリオ・ブランドーぐらい完全に信用できない「思い出」を今の内にボンヤリ書いておこうと思います。
「せっかく幻の封印作品の詳細がわかると期待したのに…」と落胆、フーとタメ息ついてこのブログから去ろうとしたそこのアナタ!
フーフー吹くならこのワシのために!ファンファーレでも吹いてるのが似合っているぞッ!
今ので完全に誰も読まなくなったと思うので、もう気楽に書こうと思います!ルン!ルン!ルン!
観に行ったのは渋谷の映画館。完全に満席。
原作はアステカの石仮面を使ったイケニエ儀式で幕を開けるが、このアニメ映画版はチベットで修行中のツェペリさんが、老師トンペティに予言を受けるとこから始まるのである。
「あの予言」を受け、画面がビカァ!と光ってタイトル!ワクワク!
そんでジョジョんちにディオがバアーン!ダニーをボギャアア!
このシーン、ちょっとアッサリしており原作のほうがエグさは上。犬好きの私はちょっとホッとした。
そして侵略者ディオによる壮絶なジョジョいじめがスタート!
荒木先生から「昼ドラみたいにドロドロした感じで…」とリクエストがあったらしいが、ディオ、鬼嫁みたいにジョジョの枕に針とか入れてました。ホントに昼ドラマチックだ。
それで水樹奈々さん演じるエレナがディオにズキュウウウンされて大ゲンカ。
それまでイジメにおびえるだけだったジョジョが、好きな女の子の誇りのため、勇気を出してディオと対決、秘められた爆発力と根性でフルボッコにするこのエピソード。気が弱く、貧弱!貧弱ゥ!な私は完全にジョジョに感情移入しまくっており、原作を読んだ時のカタルシスはものすごかった!ありゃほんとスッキリしたナ!
そしてこのアニメ映画版はどうだったかと言うと……………ごめんなさいよく覚えてません!おわびに可憐きわまりない水樹奈々さんのエレナコスプレをのせておきますね!
時は流れ、オトナになった2人。
ディオは石仮面をかぶって人間をやめ、吸血鬼にREBORN。たくましく成長したジョジョと対決!
そのあとツェペリさんと出会い、ディオの城に向かいながら、道すがら波紋の修行をするのである。かなり忙しいハードスケジュール。
ちなみにスピードワゴンは出ないが芸人のスピードワゴンさんは出ている。セカオザさんがダリオ役、ハンバーグ師匠がワンチェン役。
お二人ともビックリするぐらいあのままで、テレビと同様にお客さんの笑いをゲットしてました。
そしてディオと対決。
戦いの末、ツェペリさんが予言通り死を迎えるのだが、このへんは原作とかなり違う。
ブラフォードとタルカスは完全にザコキャラ。ジミー、ペイジ、プラント、ボーンナムよりさらに目立たないぐらいの扱い。
記憶がボンヤリで画像も無く申し訳ないのだが、なんか黄色っぽい水辺みたいなところで、なんかジョナサンが、どこからか出てきたなんか変なトゲトゲ鎖で、団鬼六もビックリな感じでなんか妙にエロく縛り上げられる。
それを救おうとしたツェペリさんが、説明なく突然飛び出てきたビックリするぐらいバカでかい氷柱に「凍っているのか?」というセリフと共に体を引き裂かれて死ぬのである。
「なんかようわからん」と思われるかもしれないが、観てて私も「なんかようわからん。」と思いました。(つまりディオの気化冷凍法の説明が無かったのだと思う)
しかしこのへん、かなり変で好きだった。
そしてジョジョとディオのタイマン。
山吹色の波紋疾走をぶちかましてジョジョの勝利!なかなかカッチョいい。ふるえるぞ♥
そしたら倒したと思ったディオが生きてて、ハネムーンの船の底にコッソリ。
決着をつけるべくジョナサンが船底に向かうのだが、ここで私はつい「えっ!?」と声を出してしまったのだ。
階段を駆け下りていくジョナサンが、踊り場で向きを変えるたびに、絵がパタッとこう…風に吹かれて裏表がパタッとひっくり返る取れかけの看板みたいな動きなのである。たしか。記憶が違ってても違ってなくても大変失礼ながら申しわけないが!
劇場用アニメらしからぬ、ただならぬこの作画に「さすがにこりゃ何か事情があったんじゃないかな?」と思った。
ラストは海底に沈むディオの棺が映り、SOUL’d OUTのあの最高にハイになる麻薬な魅力の超名曲「VOODOO KINGDOM」が流れて終了ですYO!
私はこの作品がきっかけでSOUL’d OUTを聞くようになったのだった。
そんな感じで、大変失礼ながら完成度は微妙ということになるのだろう。
しかし!
私は、変なとこも含めて何だかんだで超面白かったのである!そしてまた観たい!ソフトが欲しい!
どのような理由でカーズみたいに凍結封印されてしまっているのかわからないが、何とか解凍されないだろうか?同じ思いのジョジョファンの方はきっと多いと思う。
しかし望んでも無駄無駄なのだろうか?考えるのをやめたほうがいいのであろうか?
いつの日かドッバァーン!とソフトの発売が発表されるといいのにな!
(おわり)