サカモト教授のライブに行ってきた。
教授と言っても「戦メリ」じゃないほうの!
頭にファミコンをのせてキーボードを弾くほうの!
私たちにゲームミュージックの魅力を存分に教えてくださるほうのサカモト教授である。
そしてサポート・アクトをつとめるのは、先日もライブレポートを書かせて頂いたGame Musica Jakeのみなさんだ。(以下GMJ)
リーダーの太田さんによると、GMJは広島で5本の指に入る実力を持つゲーム音楽ジャズバンドであり、今のところ広島に存在するゲーム音楽ジャズバンドはGMJだけだという!
そんなナンバー1にしてオンリー1の我らがGMJとサカモト教授の共演。こんな豪華なドッキングは人類史上ツインファミコン以来なし!これは行かんわけにはいかん!
本日の会場は広島市内にあるJiveというお店。
店内にはステージ。おいしい料理と飲み物を、音楽を聞きながら楽しめるステキにイカすライブカフェだ。店員さんもすごく親切でうれしい。
思えばGMJを初めて見たのもこちらのお店であった。
着いたらすでにほぼ満員。本日のライブの人気の高さを感じる。
良い写真を撮るべく前のほうの席をゲットしようと思っていたが甘かった…
次回はカープの日本シリーズのチケット争奪戦みたいに前日の昼からお店の前にテントはって待ってようと迷惑なことを思った。
そして広島の県歌「それ行けカープ」と共にGMJのみなさんが店内後方より登場。
ドラクエみたいに連なって歩いていく姿がまぶしい。
「やはりステージに立つ人たちというのは何かキラキラと輝いてるなあ…」と、輝くモノと言えば銀歯だけの私は激しくあこがれた。
ステージ中央にはドドーンとサカモト教授のキーボード。
そしてそこにラスボスの女王様みたいに座ったmaiさんの「さん、はい!セ~ガ~♥」という、せがた三四郎も湯川専務も男子は全員悶絶必至のカワイイかけ声で演奏開始!
まずは「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」から「Green Hill Zone」と「Scrap Brain Zone」の2曲。
太田さんが「ファンタシースター」とかに出てきそうなサイバーなデザインの謎の笛を奏でる。ウットリするような美しい音色。ダークファルスも酔いしれて聞き入ること間違いなし!
曲の途中でクラシカルなフルートにチェンジ。その所作が状況に応じて冷静に武器を持ち変える戦士のようでカッコいい。(謎の笛はウインドシンセサイザーという楽器とのことです。)
続いてはレトロゲーム。
ファミコンの「チャレンジャー」からシーン4のラストの曲というマニアックな選曲。
人間の限界を越えるジャンプ力で列車の屋根に飛び乗るのに連結部分から落ちて死に、クジラをナイフ投げ一撃で倒すというワケわからん体力の男が様々な冒険にチャレンジするアクションゲーム。
何を隠そう私はシーン1で挫折した根性なし。
なので「チャレンジャー」というと「軍隊行進曲」と列車の通過轟音しか覚えてない!ガタンガタン!
しかしベースの音がかっこいいすごくいい曲だった。ゲームの中でも聞いてみたい。チャレンジャーに再チャレンジ!今度はあきらめずシーン4までやらなきゃハドソン。
続いては「英雄伝説 空の軌跡」から「空を見上げて」と「艦隊これくしょん」から「砲雷撃戦、始め!」の2曲。
世間じゃ「ニンテンドースイッチ」が出たっていうのに、私は今だにファミコンのウィザードリィをやり、無謀に地下深く潜り、お気に入りのキャラが灰になってはションボリしているようなジジィなので、失礼ながら2作品とも未プレイ。
しかし2曲ともすばらしかった。
「空を見上げて」はmaiさんのピアノの旋律がウットリするほど美しい。「ワシも地下に潜るばっかりじゃなく、空を見上げて生きよう。」と強く思った。
「砲雷撃戦、始め!」は原曲を知らない私が聞いても楽しいラテンアレンジ。
「艦これ」と言えば戦艦大和。大和と言えば呉。そして呉はギター&尺八のオガタさんの故郷とのこと。
曲が始まる前のオガタさんと太田さんによる地元愛あふれる呉トークも楽しかった。
トークと言えば本日のライブの途中、maiさんが、サカモト教授の「ノード」というキーボードを気に入ったオモチャを独り占めしようとする子供みたいに抱えこみ
「これは…私のモノ!それが…今日のクロスワード!」
…と大変かわいらしい&若干よくわからないmaiノード宣言。
それに対し太田さんが
「いや、キーワードでしょ。」
とみんなのハテナを冷静にツッコんでくださり、場内が爆笑に包まれるというシーンもあった。
今日も太田さんのMC、メンバーのみなさんのトークがライブを楽しく盛り上げていく。
そして最後は待ってましたの「熱血硬派くにおくん」である。
今日のためにCDを聞き込んできたのだ。
演奏されたのは「893のテーマ」と「ヨコスカ」の2曲。
CDとはまた違った魅力。特に「893のテーマ」は太田さんのフルートとオガタさんの尺八によるラストの笛対決が凄まじく、任侠道に命をかけた男同士の斬り合いのような緊張感とカッコ良さであった。
以上でGMJのサポート・アクトは終了。
楽しい時間はあっという間。とても短く感じた。
若い方にもわかりやすいたとえで言うと「ファンタジーゾーン」でボスキャラを倒し、飛び散ったコインを狂った乞食の笑顔で拾い集めまくってる時ぐらい短く感じた。それぐらい楽しかった。
そして休憩をはさみ、いよいよサカモト教授の登場である。
失礼ながら私は教授についてよく存じ上げていなかった。
「頭にファミコンをのせ、ゲーム音楽を演奏するスゴい人らしい…」
という最小限の知識のみで、予習もせず本日のライブに臨んだ。
結果、それで良かった。メチャメチャ驚けたからだ。ホントにスゴい人だった。
まずはいきなり「SAMURAI」というカッコいいオリジナル曲で度肝を抜き、お好み焼きやカープトークで広島人のハートをゲット。
そして待ってましたのウワサのファミコンコーナーである。
お客さんが選んだカセットを頭のファミコンにフーフーガチャンとセット。そのゲームの音楽を演奏するという趣向。
ファミスタ、麻雀、トランスフォーマー・コンボイの謎、F1レース、ツインビー、ロードランナー、スーパーマリオなどなど…名作から迷作まで、なつかしのゲーム音楽を次々と披露。
そして、麻雀ではゼスチャーつきでツモ切り音、コンボイでは連続即死、ツインビーでは救急車、ロードランナーでは金塊を取る音などなど…ファミコン世代は思わずニヤリなディテールまで表現。
散りばめられた小ネタの数々に、客席の一角、おそらく直撃世代であろうお客さんたちからひときわ大きな爆笑と拍手がわき起こる!ハートに見事にストライク!場内大喝采だ!
私もモチロンこのファミ魂のこもったピコピコ演奏にニコニコ!サカモト教授、ホントにすごい人だ!
続いては「SOLAR SOLDIER」という架空のゲームの音楽。
本当にそういうゲームがあるような、こだわりの世界観の構築がスゴい。
私は音楽の知識が「メンデルスゾーンってなんかゲームのステージみたいな名前の人じゃのう…」ぐらいなので演奏の技術的なことはサッパリわからない。
しかし細かくキーボード上のツマミをクリクリしたりボタンをポチポチして多彩な音を生み出していくサカモト教授のお姿は電脳の魔法使いのようでとてもカッコよかった。神っていた。
休憩をはさみ、今度はガラッと雰囲気を変え、ピアノ音でシットリと「MOTHER」の演奏。
あのゲーム史に残る伝説のラストバトルを思い出しジワリと涙腺がゆるむ。
しかしライブはまだ続くのだ!エンディングまで泣くんじゃない!
続いて「ロマサガ」や「クロノトリガー」などの名曲を次々と演奏。
「ピアノコーナーはいつもノープランなんですよね…え~と、次は何にしようかな…」
のお言葉にビックリ。決めてなくてこんなにうまく演奏できるものなのか!すごい!
みんなウットリと聞き入ったところでラストはオリジナル曲「SAMURAI2」。
怒濤の迫力でお客さんを圧倒!完全にヤラレタ!大盛況で終了となった。
そしてアンコールの拍手の中、すぐ出てきてくれたGMJのみなさんとサカモト教授。
そう!期待通りセッションをしてくれるのだ!みんなきっとこれが見たかった!ワクワク!
曲は、広島にゆかりのある会社「コンパイル」の名作落ちゲー「ぷよぷよ」である。
とにかく楽しくてしかたない演奏。そしてゲーム同様、対決が熱い!
途中のmaiさんとサカモト教授のアドリブのかけ合いがスゴかったのだ。
Maiさんが「FF」を弾けばサカモト教授は「ドラクエ」で返し!
「トトロ」を弾けば「ラピュタ」で返し!
ゲームを越えてアニソンまで飛び出した楽しいアドリブ対決にお客さんはみんな手を叩いて大喜び!アドリブがつながり、感動が連鎖し、はじけていく!いっくよー!
最後は「NiGHTS」から「Dreams Dreams」。
この夜のラストを飾るのにふさわしい名曲、名演。
音楽がみんなを酔わせていくのがわかる。
そして音楽にもお酒にもいい感じに酔っぱらってしまわれたらしいどこかのお父さんの全然リズムに合ってない合いの手すらパワフルに飲み込み、取り込み、スパーク!熱狂歓喜の大拍手のエンディングとなった。
ライブ終了後、興奮冷めやらぬまま物販コーナーへ。
先ほど演奏を聞いたサカモト教授の「SOLAR SOLDIER」のCDを購入。
曲もスゴいがジャケットの凝り方もハンパない。このゲーム、プレイしてみたい!
そして何とご本人にサイン&握手までして頂いた。
「狂い咲きサンダーロード」のジンさんとダースベーダーが悪魔合体したような迫力のあるお姿だが、とても礼儀正しく優しい方だった。
ゲームインパクトさんの「くにおくんクッキー」も再購入&オマケのファミカセ封筒をゲット!
中身は「SDガチャポン戦士2 カプセル戦記」とステッカーでした。
この企画、ガチャポンみたいなワクワク感があってすごくいいですね。
いつか当てる!ワシは!「キン肉マン マッスルタッグマッチ ゴールドカートリッジ」を!
ところでサカモト教授が最後に
「この後、懇親会があります。ここからが本番です。」
と言っておられ、お客さんがワッと盛り上がっていたので、何か交流を持てる飲み会のようなものがあったようす。
私は孤独を愛する男(LONELY SOLDIER)なのでライブだけ見させて頂きオイトマした。
しかし懇親会に参加したみなさんは、あの後も楽しい夜がもう1ステージ続いたのかもしれない。
メンバーのみなさんや他のお客さんたちと話すことができ、趣味や好みが合う人とステキな出会いがあったかもしれない。
もしかするとそれが胸ときめく異性だったかもしれない。
そしてお互い意気投合。2人パーティーとなり、人生の新しい旅が始まったかもしれない。
ケンカしたり仲直りしたり楽しい月日を送り、「ゆうべは おたのしみでしたね」となり、ドラクエVみたいな幸せ大家族を持つことになったかもしれない。
………………
出ればよかった!ワシも!懇親会に!
…と渾身の力で闇夜に叫びました。
(おわり)