ジブリの最新作「思い出のマーニー」を観に行った。
鑑賞後、ホテホテ歩いていると「うまい!」とチマタで評判のラーメン屋をタマタマ発見。迷わず入店。
こう見えて私はラーメンにはうるさい。
ブイブイ言わせてる数々の有名店のラーメンに、海原雄山も真っ青の厳しい点数をビシリ!と叩きつけてきた男。
さて、ご高名なこちらのお店は、いったいどのような芸術作品で、私をうならせてくださるのかな?
言っておくが、たとえミスター味っ子とクッキングパパがガッツリとタッグを組み、石神秀幸と山岡士郎が三日三晩考え抜いたアドバイスを取り入れ、旅の途中でフラリと立ち寄ったザ・シェフが持ち込んだ幻の食材を投入し、美食アカデミーの川越シェフ、森崎友紀、斉藤美穂のお三方全員がスマイル全開で満点を出すラーメンがあったとしても、ワシの舌を満足させるのは難しいんよ!どうなんね!とマーニーのパンフ読みながら、注文した豚骨みそラーメンが来るのを待った。
すると
「あ!お客さん、マーニー観に行ったんですね!?どうでした?」
と若い女の子の店員さんがニコニコ突然クエスチョン。
「この世界での『生きにくさ』を抱える主人公と、マーニーという謎の少女との、ひと夏の交流を描いた作品です。
マーニーとは何者なのか?というミステリー要素を取り入れ、興味を持続させることに成功しています。
そして、すべての謎が解けた時、主人公は人として大切なことを知り、わずかに成長するという、鑑賞後さわやかな気持ちになれる映画でした。
思春期特有の、同性愛的な雰囲気も微妙に漂い、作品にそこはかとない色気があります。
物語上に散りばめられた伏線要素もキチンと回収しており、丁寧で繊細な良作と言えると思います。
正直、思ってたよりも、ずっと良かったです!」
と言うつもりが、突然若い女の子に話しかけられ、全開フルパニックを起こしてしまい
「なんかこう…謎があって…わりと丁寧で…思ってたよりレズっぽくてずっと良かったです!まあまあかなっ!それとわりとミステリー。」
という、かいつまみすぎた上に述べる順番もメチャクチャの1行ぐらいで終わるまあまあヒドイ感想を、ジブリの皆さんが長期間かけて完成させた労作に対して炸裂!
「バイト先のラーメン屋に来たパーマのオッサン、百合好きでワロタ!\(^▽^)/」
みたいな誤解を招きそうなありさまに。
女の子は他の店員さんに呼ばれ、いそいそと厨房に消えていった。
いい年こいて小粋な会話どころか、マトモなコミニュケーションもできない自分の社会不適合者っぷり、ダメ人間っぷりに、あらためて呆れ返り、この世界での『生きにくさ』を感じ、号泣しながら豚骨みそラーメンを食べた。
涙でしょっぱかった。
食後、とぼとぼレジに精算に行くと、そこに立っていたのは先ほどの女の子。
私を見て ↓
とニッコリ。
私のムチャクソな感想を聞いてなぜ観に行こうと思ってくれたのかはわからんが、この店員さんがイイ人なのは良くわかった。
店名:一■堂(広島市中区)
豚骨みそラーメン
100点/100点満点中
(おわり)