初体験!ピンク映画館《横川有楽座》潜入レポート! 触る!

以前、あるピンク映画館の宣伝に、お触り程度、少しだけタッチさせて頂いたことがある。
広島きっての文化の街・横川で、1954年からの長きに渡り桃色の灯をともしてきた『横川銀映』だ。

 

 

前を通りかかるとピンク映画のポスターがはられており、SM映画の金字塔『花と蛇』や怪作スプラッターポルノ『処女のはらわた』など「これがスクリーンで観れるの!?」と好き者ビンビンの珍しい作品も時々かけておられるようなのだが、なぜか他に情報源がまったくない。
ツイッターはもちろん、ホームページもない。
いつ、何が上映されるのかサッパリわからない。謎の映画館状態。
「これはあまりにも、もったいない…」と思い、勝手にホームページやツイッターのアカウントを開設。
館長さんにスマホでそれをスティーブ・ジョブズの顔で見せつつプレゼン。ご了解を頂き、web方面での宣伝のお手伝いをすることになったのである。

 

(↑ その頃のツイッター。サイトは閉鎖)

 

このあたりの経緯を、以前、「シネ☆マみれ」という本に書かせて頂いた。
シネマ愛にまみれたこの素敵な本の発行人であり、ライター、脚本家としてはもちろん、近年では映画監督も初体験、処女作『青春夜話 Amazing Place』で、観客を忘れがたき一夜の竜宮城にイカせてくださった切通理作さんに、光栄にも執筆の依頼を頂いたのである。

 

 

私が宣伝のお手伝いをさせて頂いたのはおよそ1年ほど。
ピンク映画館《横川銀映》は2018年の秋に閉館。長い歴史に幕をおろした。
しかし、桃色の灯が横川から消えてしまったワケではない。
同じく広島市内で営業を続けてこられたピンク映画館《的場有楽座》さんがこちらに移転し、《横川有楽座》として新規オープン。
「ピンク映画だけでなく、薔薇族映画もそれぞれ2本づつ、計4本を毎日上映!」というギンギンな上映スタイルで、桃色どころか真っ赤な灯を煌々と、ともし続けておられる。

 

 

そして少し前のこと。
切通理作さんが脚本を書かれた『溢れる淫汁 いけいけ、タイガー』が、《横川有楽座》で上映されることが決定。
見学もかねて初めて足を運んだ。

 

 

看板が変わったぐらいで外装内装はほとんど変わらない。
以前あった女子トイレは封鎖。
ロビーには薔薇族映画が、なぜか懐かしのVHSで売られている。
そして鑑賞料金は「2,300円」。
正直これは…た…高い!
オシャレな昨今のシネコンの入れ替え制とは違い、これで一日中何回でも観れるのではあるが、それにしても高い気がする。
私がお手伝いをしていた頃は「1,800円」だったが、コレでも私は高いと感じていた。
通し券だけでなく、単発で作品を観たい方のため、「500円」ぐらいのチケットも販売したほうが良いのではなかろうかと思っていた。どうだろうか?

 

 

それはともかく、ドアを開け中に入る。
相変わらず暗い。目が慣れるまでは、OL宅不法侵入者の抜き足差し足忍び足で慎重に歩かねば、けつまづくほど暗い。
そして驚いた…と言っては失礼だが、客席が8割ぐらい埋まっている。かなりの大盛況だ。
壁ぎわには、ハッテン場として利用なさっている方と思しき方々がズラリと並んでおり、入った瞬間に自分に視線が集まるのを感じる。
プレッシャーを感じつつ歩き出した瞬間、初老の男性が私のお尻をタッチ。
こういう世界があることは当然知ってはいるが、相手の気持ちも確認しない一方的なこの行為にムッ!「痴漢にあった女性の怒りってこんな感じかな?」とちょっと思った。

 

意に介さぬ毅然とした態度で暗い館内を歩いて空席に着き、カバンを貞操帯のように膝に置きガード。
『いけいけ、タイガー』の鑑賞メモを取るべく、筆記用具を手にし、普通に映画を観に来たノンケオーラを全力で出しつつ画面を見つめた。
すると、空席は他にもあるのに先ほどのお触りジイサンが追いかけてきて私の真横に着席。
「これは…たぶん…ヤバイな…」
と、冷や汗をジワリ滲ませていると嫌な予感は的中。お触りジイサンは私の太ももをサスリサスリとお触りし始めた。
「いや、ごめんなさい!僕、違うんです!」
と小声でキッパリ告げたが
「チョットだけ…」
と、カトちゃんみたいなことを言いつつお触りをやめてくれないので
「いや、知ってる方が、脚本を書かれた映画が上映されてるので、感想を書こうと思って観に来たんです。」
と、メモを見せながら普通に説明。
「ああ…そうなんね…」
と、ションボリなさったので、少しだけ気の毒になり
「やっぱり、ハッテン場として利用されている方が多いんですかねえ?」
と質問。
「そりゃあ、そうよ…前は《的場有楽座》でよう遊んどった…あそこは個室があったけえ好き放題できよったもんじゃ…じゃけどもう無くなってしもうたけえ、こっちに来てみたんじゃが…ココは難しいね…」
と、戦時中の想い出を孫に話す悲哀に満ちた祖父の顔で薔薇色の日々のことを語り「まあ、勉強がんばりんさい」と謎のエールを言い残してチンチンをポンポンと無許可で叩いて去って行った。やっぱ全然気の毒じゃない。

 

とにもかくにもホッとしたのも束の間。
本当にヒドいのはそこからであった。
「広島にも来い来い、タイガー」と上映を待ち望んだ待望の『いけいけ、タイガー』がついに始まり、トロンとしたお目々に見つめられたら男子ならトロンとしてしまうこと間違いなしの無敵のロリ顔にもかかわらず、ハードなシーンにもガンガンにチャレンジしてくださる主演の佐倉絆(さくら・きずな)ちゃんの一糸まとわぬフルボディがスクリーンには映し出されている。
そして、スクリーンの外では、先ほどのお触りジイサンが私の前の列でしゃがみ込み、他のオジサンにフェラチオをしている。
張り裂けそうなピチピチのボディコンに身を包んだ、女形の巨人の如き長身痩躯の女装男子が、鼻息荒くノシノシと駆け寄り、興奮した面持ちでその様をジッと見つめている。
前の方の席からは『犬神家の一族』の如く、むくつけき男の脚が逆さにズボーン!と突き出ており、それを何人もの男たちがなぜかジッと取り囲んでいる。座席の向こうでいったい何が起こっているのか?想像するのも恐ろしい。
館内にはスクリーンからと、あちこちの客席からの喘ぎ声がサラウンドで響き渡っている。
これほど作品に集中できない4DX上映は初体験である!
人はこういう状態のことをこう呼ぶ!
そう!
「地獄絵図」と!

 

 

ハッテン場は必要であるとは思うし、ちょっとギョッとするような光景も何度かは見てきて慣れてるつもりだったが、ここまでハードコアな日は初めてである。
中には私のように純粋にピンク映画を鑑賞したいお客さんもいるはず。
悪口っぽくなってしまって申しわけないのですが、今の状態だと、ノンケの映画ファンは入りずらいのではなかろうか?
また、ピンク映画に興味を持ったサブカル好きの女子の方が、もしも一人で入ろうとしたら…
この日のような状態だと、失礼ながら、やはり、ちょっと、だいぶ危ない気がする。

 

しかし、映画館を営むということは、とても難しいもの。
生き残っていくべく試行錯誤し、「ハッテン場に特化」という独自の路線を打ち出したための「2,300円」という高めな料金設定なのかもしれない。

 

そんなこんなでせっかくの『いけいけ、タイガー』上映だったのに、あんまり作品に集中できませんでした…ごめんなさい…
しかし、惜しまれまくりつつ引退を発表なさった佐倉絆さんの魅力がはじける、エロかわいくて、既存の映画の枠にしばられぬ自由な、元気の出る、愛らしい作品だったのは間違いなし!
ピンク映画はもちろん、『鉄人タイガーセブン』とか懐かし昭和特撮が好きな方にもオススメ!皆さまもぜひ!…っていうか誰よりも私が観直したい!
劇場上映だけでなく、配信&ソフト化もこいこい、タイガー!

 

(おわり)