世の中には色んなダイエット方法や商品が氾濫しすぎている。
腹に巻いてテレビ見てるだけで、板チョコみたいにバキバキに割れた腹筋にしてくれる楽チンベルトとか!
塗るだけで脂肪が燃焼するという、炎の魔女が呪いをこめて作ったような謎のオイルとか!
1日3度の食事の内、1食か…できれば2食をその商品に変えるだけで、なぜかグングンやせる不思議ドリンクとか!
数え上げたらキリがない。
しかしどの商品も「やせる!」と言いつつ、すみっこのほうにチンマリと「効果には個人差があります」と表示して、ダイエットに敗北した方々からの苦情に対して予防線をはっている。
何たることだ!許せん!
ここはひとつ私が!
ダイエット業界にトドメを!
ズバリ!「絶対にやせる方法」を披露させて頂こうと思う!
私は太らない。まったく。
体重が20代の時と変わらない。
なぜだ?1日3食、けっこう食べるのに。
ちなみに昨日の晩飯は、元料理人の父が作った、大盛カレー、メンチカツ、ギョウザ、ゆで卵、けんちん汁…というカロリーメガ盛りなメニューであった。
これに、1番星が出るまで遊びまくった後で食卓についた腹ペコチビッ子みたいに爆発的な喜びをもってガツガツ食らいつき、ノンアルコールビールのロング缶2本でドバドバ胃の中に流し込む。
キレイサッパリやっつけた後、さらにデザートとしてジャイアントコーンを1本ザックリペロリ。
そして、砂糖とミルクをタップリ入れたカフェオレをグビグビ飲みながら、ホイップメロンパンとシュークリームを食べ、そのままドバーン!と寝た。
だいたい毎日こんな感じである。
「食べてすぐ寝ると太る」と人は言う。
しかし太らない。まったく。
なぜだ?
不思議に思い、自分の生活をチェックしてみた。
結果、「体重維持に役立ってるのでは?」と思われる私の生活習慣は下記の4つであった。
その①
仕事のある日は、足にアンクルウェイトをつけて家を出る。
ちなみに私が使っているのは、「NIKE アンクルウェイト 1.13キロ」というモノ。
他のメーカーの物より多少高いが、色々試した結果、今のところこれが1番。装着感も良く足が痛くならない。丈夫で長持ちだった。
その②
常に大股でガッシガッシと早歩きを心がける。
その③
万歩計を装着。
その際、万歩計に感度の調節機能がある場合は、マイナスにしておく。
こうすることで「シッカリ大股で歩かなければ反応しないかも!」という意識が芽生え、チンタラ歩くのを戒めることができるからである。
そして、1日の歩数を記録しておく。
ちなみに、仕事のある日の私の平均歩数は3万歩ぐらい。これは多いほうらしい。荷物を持って歩きまくる仕事だからかも。
その④
風呂に入る前にトレーニングをする。週6日。1日は休む。
私の俺ジナルメニューは下記の通り。
・シャドーボクシングを1ラウンド
・V字腹筋を90回
・腕立て30回
・3点倒立を1分
正直、これはだるい。仕事が終わってヘロヘロクタクタなので。
しかし、昔からずっとやっているため、サボると何だか落ち着かないのである。起きたら顔を洗うのと一緒で、やらないとサッパリしない。
上記のメニューをやり終えるとちょうど10分ぐらい。短時間だから続いてるのかもしれない。
以上の4つが、私の体重維持の秘訣と思われる。
いや…
待てよ…
私は中学の頃、今と同様、大食いなのにヤセ細っていた。
スポーツなんて全然しない。帰宅部でファミコンばかりやっていた。
動かないのに食うのに太らない。
そんな不思議なある日、トイレに行くと、お尻からプララ~ンとヒモ状の物体が…
どうやら、食べても太らないのは、腹中に潜んでいたサナダ虫に養分をガッツリと吸い取られていたせいらしい。
そのことを翌日、友人に面白おかしく報告してからというもの、みんなから「倉井くん」なのに「サナダくん」と呼ばれるようになるという、切ないスクールライフを過ごす羽目に。
ひょっとして…まさか!
今も!
飢えて齧り続けるアザトホースのごとき貪婪なサナダ2世が!我が腹中でシュルルとトグロを巻いているのかもしれない!
こ…こわい!
なんか偉そうに書いた体重維持の秘訣に、急速に自信がなくなってきた!
しかし、ご安心を。
そして「何が尻からプララ~ン!だ!バカ野郎!メシが食えねーじゃねーか!コロスぞ!」などとお怒りにならないで頂きたい。
続きがある。
「絶対にやせる方法」とは、このことではないのである。
それは、私の知り合いのMさんという方に教えて頂いた方法だ。
昔、バイト先で休憩をとっていた時のこと。
イケてるグループに属する男女たちが、ダイエットについてワイワイ話しているのを、本を片手に何となく聞いていた。
やれ「こんにゃくゼリー」がカロリーオフで満腹感も得られていいだの、「ワイン」や「ビール」はデトックス効果があるから実はダイエット中も飲んだほうがいいだの、さまざまな情報が楽しげに交錯する中、1人の男がこういった。
「1日2食に減らしたりすると、逆に太るよ。
体が飢えを感知して、過剰に吸収しようとするからね。とにかく3食キチンと食べなきゃダメ。朝、昼、夜の割合を3:2:1にしてね。
よく噛んで食べれば別に食べる量を減らさなくても大丈夫なんだよっ。」
しかしこのダイエット論を披露している人が、何と言うか…良く言えば、肉まんみたいに暖かくフカフカした心やすらぐ安心ボディーの持ち主。
正直に言えば夏場も肉まんばっか食っそうな暑苦しいデブ。
「この人は自らを犠牲にして、全身全霊をかけてボケているのであろうか?誰か突っ込んであげるべきではなかろうか?」
と思ったが、女の子たちはイケてるグループのムードを壊したくないのか、興味深げにハート様のダイエット論を聞いている。
ふと気づくと、私の隣に座っているMさんの様子がおかしい。
あきらかにイライラしている。
Mさんは元ボクサーで、現役の頃は、減量で地獄を見た人だ。
なにせ、試合のたびに9キロも体重を減らさねばならず、計量前には絶食を余儀なくされていたそうだ。
そのMさんに、女の子の1人がこう聞いてきた。
「そう言えばMさんはボクサーだったんでしょ?何かオススメのラクな減量法とかあった?」
Mさんはイケてるグループに静かに向き直り、こう言った。
「う~ん…いや、やっぱり減量はひたすらきつかったですね。ボクサー生活の中で、それが1番きつかった。
食べることができず、フラフラの半病人みたいな体調でハードなトレーニングはしなきゃいけないし…
計量直前は、絶食です。
でも、試合を流すわけにはいかないからね。耐えるしかなかった。
俺が思うに、やっぱり基本的に何でも、しんどい思いをした分しか手に入らないと思うんですよ。
努力しなきゃ手に入らない。
そんな基本的なことすら分かってないヤツがね、最近多すぎる!
俺に言わせりゃ、好きなモン食べながらラクしてやせようってのが、そもそも間違ってる!
人間なんかのォ… ↓
イケてるムードを根こそぎ粉砕するMさんのジョルティングブローが炸裂!
みなさん、試合にKO負けしたボクサーのコーナーみたいにションボリしてました。
「食わにゃやせるんじゃあ!」
これが、冒頭で披露すると宣言させて頂いた「絶対にやせる方法」である。
この方法なら間違いない。
これであなたも、魅惑のスレンダーボデーの持ち主に!
このブログを始めておよそ2年になるだろうか。
いつも、ウンチがどーしたとか、シッコがどーしたとか、お下劣な話ばかり吐き散らしてきたような気がする。
しかし今回初めて、ついに人の役に立つ記事が書けた。
やった!
ちなみに苦情は一切受け付けない。
絶対にやせるけど、続けられるかどうかには、個人差があるので!
(おわり)