以前、ダウンタウンの松ちゃんが変なAV(アダルトビデオ)を観た話をしていた。
「内向的な自分の殻を破るため、私…私…人前でウンチをしますっ!」
という、自己変革の決意自体はたいへん美しいがチャレンジの方向性を完全に間違えた女の子のAVだったらしい。
女性の方はご存じないだろうし一生ご存じないままでいいのだが、AVの世界にはこういう変な作品がけっこうドパドパ生まれる。
私の知人が見た裏モノAVは、官能小説風に言うと、繁みの奥に潜む赤く濡れる花弁を押し広げ、指を深く挿し入れ、桃色の吐息と甘い蜜がとめどなくあふれ出すシーン…つまり小学生でもわかるように普通に言うと激しく手マンしてるシーンのBGMで、なぜかT-SQUAREのF1でおなじみのあの曲が激しくかかってたそうである。
ジャジャーン!ジャジャーン!なぜT-SQUARE?ジャジャーン!
また、別の知人が見たAVは、女優さんに「ヘリウムガス」を吸わせてセックスをするという意味不明な企画モノだったそうだ。
報道番組でよく見る「すりガラス越しで証言をする知人女性Aさん」みたいな甲高い声で「アー!アー!イイー!」とあえぐ女優さんを前に、見るほうは何もイイーことなかったそうである。
ちなみに私が今まで見たAVの中で「変だな」と思ったのは拾ったモノだった。
「拾いモノ」という意味じゃなくてホントに道で拾ったのだ。
ひと昔前…いや、ブルーレイもDVDもまだないふた昔前。VHSビデオテープの時代。
その頃、時々、道ばたにビデオテープが捨ててあることがあった。
そして、こういう場合のビデオテープはなぜかほとんどAVなのである。(それか貞子さんが出てくる呪いのビデオ)
ある日いつも通りションボリ道を歩いていると、ゴミ置き場に1本のビデオテープが。
ピンときた私はその真ん前で立ち止まり「何か忘れ物をした気がしてカバンの中をアレ?アレレェ?と確認する男」の名演技を開始。
演技の一連の流れの中に、ゴミ置き場のほうへ手をのばす動きをナチュラルに取り込みビデオも無事取り込み。ヒャッホウ飛び跳ねながら家に帰った。
帰宅して再生。中身は案の定AV。
女優さんは艶めく黒髪がとても美しい、神社に封印されてそうな呪いの日本人形似の方で若干テンションが落ちかけたがせっかくパンツも下ろしてるし続けて見た。
かなり古い作品らしい。カラミのシーンで局部を隠すのはモザイクではなく、今はスッカリ見なくなった懐かしすぎる黒い丸。
ところが…
それが変なんである。
女優さんの動きに黒い丸の動きが間に合っておらず、常に後追っかけ。大事な所を全然隠せてないのである。
女優さんが動くたびにビクッと反応。局部をあわてた感じで必死で追いかけるせわしない黒丸。
だんだん女優さん、男優さんの他に ↓
…という忙しげなもう一人の姿すら見えてきそうな気がした。
これでどう興奮しろというのか?爆笑して役に勃たず。フニャチンプルプル、下半身丸出しのまま転げ回って畳を叩いて死ぬほど笑った。
(おわり)