瞳にマリア様を

最近、プレステ2の大ヒット恋愛シュミレーション「アマガミ」を始めた。
「え?今ごろ?」と思われるだろうが、私もそう思う。
やってみたいゲームは山ほどあるが、やる時間はあんまりない。できても1日30分程度。
これだと1本クリアするのに、途中何度か衣替えをするぐらい、けっこうな月日がかかってしまう。
そのため、やってみたいとは思いつつも、なかなかアマガミする順番がまわってこなかったのである。

 

春に始めた「モンスターハンター4」がヘタクソすぎてモンスターにハントされてばっかなので、先日、泣く泣くクリア断念。気づけばもう冬。12月。
代わりに何をやるべきか?
「アマガミ」は「冬が舞台で、好きな女の子と仲良くなってクリスマスイブを一緒に過ごす」…というのが目的のゲームらしい。
季節的に今にピッタリだし、みんなが巨大モンスターと必死で戦ってる目の前で、間違って肉をクルクル焼いて怒られたりしなさそうだったのでアマガミすることにした。

 

ちなみに生まれて初めてのギャルゲー。
やってみてビックリ!女の子がカワイイ!ゼントラーディー軍を一瞬で戦闘不能の悶絶状態にできるレベル。
ワシャ今までゲームの女の子とは、ドラクエ1のカクカクしたドット絵のローラ姫としかカクカクしたことがない。
なので、こんなカワイイ女の子たちには、ブリタイさんたち同様、まったく耐性が無い。
プレイ中、萌え散らかしまくりあげて「グフフ!グフフ!」とか声をもらさぬように気をつけようと思った。

アマガミ

そんな、ギャルゲーを始めるのは遅かった私だが、ファーストキスは何気にまあまあ早かった。
小5の時だ。

 

私の通っていた小学校では、冬になると「全校生徒でジェンカを踊る」という、おかしな行事が、なぜか定期的に行われていた。
まず、すべての生徒が冬のクソ寒い朝、校庭に、ジェンカだよ全員集合!
好きな者同士、何人かで集まり、列になって前の子の肩をつかみ、ムカデ人間にトランスフォーム!
そしてジェンカを、騒音オバサンの嫌がらせぐらいの大音量でかけ、それに合わせて「前!後!前前前!」とジャンプステップで校庭を練り歩き!
他の列とはち合わせたら、先頭の者どうしがジャンケン勝負をし!
負けたほうは、勝者の最後尾につながり!
だんだん列は長く「ムカデ人間3」みたいになっていく!
…という、ヤコペッティが撮影に来そうな、ムカデを神とあがめる未開の地の裸族の奇祭のごとき、完全に気の狂った謎の行事であった。

ムカデ人間3

忘れもしないあの日。
とても寒い朝だった。
そんな日に限って我が校は狂気のムカデ祭を決行。
いつも通り列の先頭で、ノリノリで元気良くステップを刻む小5の私。ジャンケンも快調。ムカデは中ボスぐらいの長さに。
「ワシは深い闇の底で生まれたムカデの王…この世のすべてをつなげつくしちゃる!」とうそぶきながら、次々とザコムカデたちに襲いかかっていた。

 

するとジェンカの歌詞の
♪ラーンラ ラーンラ ランラーラ はっじめてキスをする~♪
…のところで、はち合わせした列の先頭の、全然知らない男の子が突然、ブチューッ!!と私の口にキスしたんである。
呆然とたたずむ私を残し、謎のBLムカデは去っていった。

 

これが私のファーストキスである。
あの時、なぜキスされたのか?
謎である。
衝動的に唇を奪わずにはおれないほど、私が美少年すぎたのだろうか?
しかし、私はその頃、ひどい鼻炎でいつもハナをたらしていた上、担任の女教師に普通に真面目に諭されるぐらい高確率でハミチンだったため、全然知らん小1とかに「はなみずチンコ星人」と指さされていたので「美少年だったから」という線は考えにくい。
「風と木の詩」には絶対出てこないタイプの「はなみずチンコ星人」がなぜ男の子にファーストキスを奪われたのか…?
謎である。

 

ちょっと前、この話を知人にしたら超爆笑された。
頭にきたので
「じゃあ、お前のファーストキスはいつ、相手は誰だったんだ!」
と問い詰めたら
「31の時、自動車教習所の応急救護の講習中、人工呼吸の実技で使う人形が相手」
とのことで私の勝ちで気の毒だったので許してあげた。

 

ナチュラルボーン非リア充たちのキモなさけないファーストキス事情はともかく、そろそろクリスマス。
楽しい友だちがいる人はブランキージェットシティの名曲「ライラック」みたいに、街を歩くだけで何となくワクワク!
ステキな恋人がいる人は、イブの夜に想いを馳せてドキドキ!
どっちもいない私は、聖なる夜に部屋を要塞みたいに締め切り、プレステ2の「アマガミ」でカワイイ女の子たちとアマガミしたりされたりでグフフ!グフフ!

 

そろそろ死んだほうがいいような気もチョイチョイするが、こんな私でも偉大なる主はきっと許してくださるはず。
そしてお忙しい中、わざわざこのブログに足を運び、最後まで読んでくださったあなた様。
イカす。
この世に生けるすべての者を、その大きな慈愛の腕で優しく包みこむ、尊き聖母の御姿が、あなたの瞳にも宿りますように。