2013年度の映画  個人的なベスト10

映画秘宝 2014年3月号
先日、「映画秘宝」の最新号が発売された。
特集は待ちに待った「2013年度の公開映画 ベスト&トホホ10」である。
各界の映画狂人のみなさんが、マイベスト&トホホ10を、熱量タップリに発表しまくる、年に1度のお祭り!
熱い!誌面が!
楽しい!最高に!ワッショイ!

 

私も、この熱いフェスにヒッソリと勝手に便乗。
2013年度のたくさんの映画の中から、厳選に厳選を重ね、マイベスト10をドバーン!と大発表!…しようと思って意気込んで調べてみたら、昨年観た映画は、たったの27本であった…

 

しかもそのウチの15本は、見逃していた2012年度の公開作品や昔の映画を、DVDやWOWOWで、自宅でマッタリ鑑賞…のため除外…
「地獄でなぜ悪い」と「キャリー」は、以前に書かせて頂いたが、暴力的な尿意に負けて途中退場。
とやかく言う資格が無いので除外…
(ちなみにラストが観れなかったけど「地獄でなぜ悪い」は熱くて、狂ってて、にぎやかで最高でした)
「劇場版 バクチク現象」は、ファン限定の特殊なドキュメンタリー映画だと思うので除外…

 

すると、ベスト10選考の対象になる作品はなんと!9本であった!ショボン!
しかも白状すると、「セデック・バレ」をスルーしてしまっているという映画弱者ぶり…
なんか映画に関してアレコレえらそうに言ったら、首チョンパされそうな気がしてきた。
いや!
それでも選ぶ!ワシは!
9本の中から!ベスト10を!

 

1位  パシフィックリム
実写版マジンガーZ最終回
開幕早々、とにかく泣けてしょうがなかった。
幼き日に体に刻み込まれた「永井豪イズム」が、どうしようもなくバラバラババンバーン!と反応しているのだ。
マジンガー世代にとって「パシリムで豪泣!」は当然必然の生理現象である。

ヨッコイショ!とおのれの肉体を駆使してイェーガーを動かすパイロットに、こちらもドリフト完了!シンクロ率100%!
体にググ~ッと力が入り、観終わった後は心地よくヘトヘト。
ガリアンソードのとこは最高にアガッた。

必殺技を出す時に、キチンと「エルボーロケット!」とか叫んでくれるところも、さすがデル・トロ!でっかいチビッ子!ありがとう!わかってくれている!
やっぱり必殺技は叫んでナンボ。
黙って出したんじゃもったいない。観客のハートをブチ抜く威力は大違いなのだ。
最後の戦いにケリをつけたのが、この技だったことにもアガリすぎて溶けるかと思った。
ブレストファイヤー!

 

2位  パシフィックリム
実写版マジンガーZ対暗黒大将軍
ところで「パシリム」のイェーガー操縦方法を見て、思い出したマンガがある。
永井豪先生の「アイアンマッスル」だ。↓
アイアンマッスル
肉体を鍛えあげたグラップラーが、巨大ロボ「グラップルマシン」に乗り込み、「パシリム」同様のシンクロ方式でヨイショ!ヨイショ!と汗ミドロで操縦。
企業の看板を背負って、ガチンコプロレスを繰り広げる!
ダメージを受けたら、ロボットなのにマシンなのにダダッダー!と涙を流すグラップルマシンたち。
…っていうか時々いきおいあまって「ウォー!」と口まで開いてしまう。
イカす。

他にも、なぜかグラップルマシンが悪魔に変身したり、「妙に強いなあ…」と思っていた相手のグラップラーが実はエスパーで、超能力でバシバシ攻撃(反則)してきたりする、永井先生らしいステキな暴走もアリ。
「パシリム」にハートをガン!ガン!ガン!ガン!とゲットされまくった方にはオススメです!

 

3位  ゼロ・グラビティ
ゼロ・グラビティ
IMAX3Dで鑑賞。
私は、映画好きのわりになぜか「アバター」をスルーしており、この「ゼロ・グラビティ」が人生初の3D映画体験であった。

たまげた…
スクリーンから飛び出して、そのまま劇場内に浮かぶ「ジョージ・クルーニーの足」「ボルト」そして「涙のしずく」にあぜん…

とにかく、手前に何かが浮いていたり、向かってきたりするシーンの「飛び出し感」がハンパじゃない。
破片が高速で飛んでくるシーンは、やはり思わず「うわあ!」とよけてしまった。

飛び出すだけの「びっくりアトラクション映画」ではなく、ストーリーも骨太。
「主人公が1度あきらめて、また立ち上がる」という教科書的な展開をきちんと踏まえたシッカリしたもの。
音楽と、その使い方も、なにげに熱血で最高であった。

ところで私は、「ジョージ・クルーニーが手を放すシーン」で、ちょっと混乱した。
「え?ここで手を放す必要あるっけ!?」と疑問を整理できずオロオロする私とサンドラ姉さんを残して、クルーニーは余裕ブチかましながら、スペース・オディティみたいに宇宙の果てへ…

後で調べたら「アレは放さんで大丈夫」とのこと。
そのほかにもSF考証的には、おかしいところがチラホラあるらしく、気になって純粋に楽しめなかったという賢い方もいるらしい…が私は気づかなかった。
よかった!バカで!

2回観に行った。
これからも、IMAX3Dで、定期的にリバイバル上映してくれないかな…

 

4位  凶悪
凶悪
とにかく「リリー&ピエール」のチャーミングなユニットの暴れっぷりが凄まじい。
まさに凶悪。
こんな連中に狙われたら、ブッこまれるのは必至。
「お金って本当に怖い!これからも絶対にローンや借金はするまい!欲しい物は必ず貯めて買おう!ちなみに今、1番欲しい物はプレステ3!でも、もうちょっとでも出るっていうのに!いまだにも買えないって!どーなってるの!」
とあらためて強く思った。

それにしても「ジジ・ぶぅリンチ殺害シーン」は凄かった…
その前に、ちょっと人情味の感じられる釣堀のシーンを挟んでおいての、あの狂乱痴態ぶり。
演出も凶悪で最高であった。

 

5位  ジャンゴ 繋がれざる者
ジャンゴ 繋がれざる者
「レザボアドッグス」では男たちのスローモーション横歩き、「パルプフィクション」ではストップモーションに続いてミザルーが流れるオープニングで、キッチリとイカせてくれたタランティーノ。
「今回はどこかな~?いつかな~?」とワクワクしてたら、2Pacが「ここやろ!」と流れるアソコで昇天。
気持ちヨカッタ~!
派手に飛び散る血と肉片も最高!

ラスト、「自分の男の最高にカッコいいシーン」を見つめる奥様の幸せそうな顔。
茶目っ気タップリに耳をふさぐ仕草の可愛らしさ。
レイプをあえて描かなかったのは、やっぱり正解だと思った。

 

6位  風立ちぬ
風立ちぬ
映画の教科書的な見方をすると、ストーリーとかはメチャクチャ…なんだろうけど、ラストでなぜか涙腺決壊。周りのチビッ子たちがひくぐらい号泣。
なぜだろう?
不思議な映画体験だった。

庵野さんの声も最初はギョッとしたが、途中から気にならなくなった。
品のある、いい声だな~と思った。

「創造的人生の持ち時間は10年だ。君の10年を力を尽くして生きなさい」
劇中のこのセリフが、グサリと深く心に突き刺さった。
凄まじい焦燥が湧き起こった。
自分に与えられた10年は、もうとっくに終わってしまっているのではないか?
もう、自分からは何も出てこないのではないか?
ホラ!こうして書いている今も!オモシロ文章がビタ一文思い浮かばない!
何か!オモシロ文章を!
う~ん…今は冬…何か…冬にちなんだ…オモシロ文章を…え~っと…え~っと…
今日みとーに寒い日は、しょうが湯飲みゃあ、ブチあったまるでしょうが

うむ!私の10年はやっぱり確かに終了している模様!
しかし…それでも…
生きねば!

 

7位  クロニクル
クロニクル
イケてない男の子が、超能力をゲットして大暴れする話。

かく言う私も中学の頃、「突如現れた巨大UFOが校舎に激突。学校も日本も世界も何もかもメチャクチャになり、今日の英語の自分の発表の番が無くなってしまえばいいのに…」と授業中、心底願うイケてない男子であった。

よかった!とっくの昔に青春が終わって!
暗黒の日々をいっさい引きずることなく大人になれて!

あの頃の私のように、スクールカーストの底を暗い目をしてさまようアンドリュー君。
せっかくの大暴れの途中で、なんか正義感なイトコにけっこうアッサリ殺されて残念だった。

許せん!イトコ!
私に超能力があったら、あんなにわかヒーロー気取りはひとひねり。
その次は、騒ぎを聞きつけてやってきたいろんな国の軍隊と激突。日本も世界も何もかもメチャクチャになり、今日の社内全体ミーティングの自分の発表の番が無くなってしまえばいいのに…

 

8位  もらとりあむタマ子
もらとりあむタマ子
あの中学生の「恋に部活に忙しいんだよね」のところで、私の後ろにいらした、お年を召したご夫婦が大爆笑。
そこから笑いが広がり、場内がホッコリとした一体感に包まれた。
幸福な映画館体験をさせてもらえた。

アイドルオーディションの写真のエピソードなどは、ゴリゴリのカワイコちゃんでは成立しない。
前田敦子さんは、時には萌え死ぬぐらいに可愛く、時には微妙にブサイクにも見えたりする、貴重な女優さんだと思った。

ちなみに私も、3月いっぱいで退職が決定。晴れて「もらとりあむ」に。
しかし、いい年こいてフラフラしてられない。
自分のやるべきことを成し、一刻も早く何者かにならなければ!
じゃあ、それはいったいいつだ!?
少なくとも…今ではない!

 

9位  ばしゃ馬さんとビッグマウス
ばしゃ馬さんとビッグマウス
前作「さんかく」の「いや~、俺、若い頃はヤンチャやっててさ~」とか、俺伝説を語るタイプのしょーもない元ヤンの描写は凄かった…
それで、チェックするようになった吉田恵輔監督。
今回もやっぱり凄かった。

「さんかく」もそうだったけど、なんか月9ドラマみたいなオシャレでかわいいポスターに油断して観始めたら、胸をザックリとえぐられること間違いなし。
特に「自分は特別な人間だ」と信じ、上京して何かを目指している人には、身につまされる痛いエピソードがテンコ盛り。

「夢はかなう」と声高に叫ぶ映画や歌が多い中、珍しい「夢をあきらめる」映画。
しかし敗れて去りゆく者への視線は、こっちのほうがずっと優しいと思った。

 

10位  かぐや姫の物語
かぐや姫の物語
前にもなんかきちんとした批評を書かせてもらったけど…
なんか…凄い絵が変で尖っとって…
なんか帝のアゴも激烈に尖っとって…
最後はなんかジブリ映画っぽく空も飛んで…
なんじゃかんじゃで凄かったような気がするよ!

 

以上が、2013年度の映画の個人的なベスト10である。
9本の中からベスト10を選ぶのは、なかなか骨の折れる作業であった…

 

今年は、もっとたくさん映画が観れるはず。
なぜなら先にも述べた通り、仕事を辞めるからである。
これで「休憩がまったくのゼロで10時間以上の勤務」という黒い長時間労働にも、痛いほど寒く、あちこちで作業員が意味不明のおたけびを上げている八甲田山な冷凍庫の作業とあかぎれにも、「20キロのコンニャクを2000個出荷!台車に積むべし!」という帝愛グループの地下施設のような肉体労働と腰痛にも、そして、そんな労働を人に課し、自分は2時間ぐらい余裕で遅刻してきて「ごめ~ん!てへぺろ!」とか信じられないことを抜かす上司にも、やっとオサラバである。
オッサン!いい歳こいて何が「てへぺろ!」だ!
どこで覚えたんだ!
しかも今頃!
寒い!気色悪い!

 

…とここまで書いて、重大なことを忘れているのに気づいた。
このブログは「記事内にかならずイラストを入れる」というコンセプトで書かせて頂いている。
それをスッカリ忘れていた!
もろもろの事情で久々の更新になってしまったため、自分で決めたシバリがゆるゆるになっていた!
しまった!ごめ~ん! ↓

てへぺろで切り抜けろ!

(おわり)