2018年に観た映画 個人的なベスト10

 

 

毎年この時期、色んなトコで行われ、ワッショイ楽しく盛り上がっているお祭り企画を、毎年通りリクエストは1件もなかったが、このブログでもやらせて頂きたいと思う。
そう!「2018年に観た映画 個人的なベスト10」である!ワッショイ!

 

ちなみに私の住んでいる、あのオバマさんも来てくださった国際的スーパー・メガロポリス・広島では「観たい映画やっとらん。あるいは ぶち遅れてやってくる」という「田舎あるある」がある。
例えば今年だと、先日、上映が始まり、話題沸騰、賛否両論のリメイク版「サスペリア」!
広島!やってません!ズコー!
「決して、ひとりでは見ないでください」と言われるまでもない。見れん。

 

そんな感じで、毎度のことながら、まだ観れてなかったり、ずいぶん後でやっと観れたりした作品も多い。
なので、このベスト10には2018年度の公開作品ではないものも含む。あくまで「2018年に観た映画」の「個人的なベスト10」というワケであります。では!
(ネタバレあり)

 

 

 

「2018年に観た映画 個人的なベスト10」

 

10位 《マンハント》

 

当ブログの『私の 映画オールタイム・ベスト10』という記事でも書かせて頂いたが、世界中の映画ファンのハートを撃ち抜いた香港ノワール史上永遠の兄貴《男たちの挽歌》が、私の人生ベスト1映画。
なので「あのジョン・ウーが!日本を舞台に!《君よ憤怒の河を渉れ》をベースにしたバディ・アクションを!久しぶりに撮る!」というニュースが流れた時、たぶん私が世界一喜んだと思う。

 

そして満を持して公開された《マンハント》とは!
マークのコートばりにムチャクチャ穴だらけなストーリーが客のキョトン顔をパワフルに無視して強引にドライブ!拳銃&ステキに幼稚な とんでもキザトークが火を噴きまくるハチャメチャ変テコ映画であった。
不評の乱射でハチの巣にされてるのもちょっとわかる。
しかし私は!
ジョン・ウー監督の ちょいポチャ天使、愛娘のエンジェルス・ウー&ハ・ジウォン演じる女殺し屋コンビが、突然流れ始めたエモい歌と共にスローモーション!ペアダンスのような美しい動きで、いばりんぼヤクザ軍団を木っ端みじんに撃ち砕いていく冒頭のガンアクションで、もうテンション、ガン上がり!待ってました!ジョン・ウー節全開!親バカも全開!
ラスト近くで出てきた薬の研究開発施設も、チビッ子が考えた「ひみつきち」みたいですごく良かった。
鳩も飛んだし、こんなシーンも観れたし別に文句無し。

 

 

 

 

 

 

9位 《ゴーストスクワッド》

 

広島で《横川シネマ お笑いライブ》を立ち上げ、月1で開催、私を含め多くのファンを獲得、広島きってのアートとサブカルの街・横川の夜をみんなの笑顔でライトアップ!
今は活動の場を東京に移し、ライブ活動はもちろん、ネットで おもしろ動画や、弟さんとの仲良しトークに思わず笑顔の花咲くYoutube番組《おしゃべりフラワー》、そして聞きごたえ満点の映画評までパワフルに配信!
軽やかなフットワークで縦横無尽に活躍しまくっておられる全身お笑い芸人・カドカイシュウさん。(ツイッター:@nico_ago 
そのカドさんが激推ししておられたので鑑賞。

 

【おすすめ映画】ノーメイクス主演映画第二弾『ゴーストスクワッド』井口昇監督作品【映画評】

 

カドさん曰く「井口昇監督作にはいつも〈救済〉というテーマがある」とのこと。
言われてみれば確かにそうかもしれない。
実際に起こった数々の残虐事件、たとえば私にとって、思い出しただけでドンヨリと気が滅入るトラウマ〈女子高生コンクリート詰め殺人事件〉などからインスパイアされ、作られたという本作。
ビビりながら観始め、確かに途中で辛いシーンもあったが、最後には魂が救われたようなさわやかな感動に包まれた。救済のカタルシスがあった。《ヌイグルマーZ》や《キネマ純情》など、今までの作品もそうであったように。

 

それにしても、腕をカラっと天ぷらに揚げられてしまった女子高生が、そこにマシンガンを装着、忍者の子孫のヤクザ軍団に立ち向かう《片腕マシンガール》といい、無惨に殺害された少女たちの霊が〈幽霊復讐部隊 ゴーストスクワッド〉を結成、キテレツウェポンで悪を撃つ本作といい、勉強嫌いな中学生が授業中に夢中で考えてノートの端にガリガリ書いたようなステキな話だ。
井口監督は「何やらアートっぽい映画を撮って、綺羅星のごとき世界の映画スターたちが集うセレブった海外の映画祭に招待されて、タキシード着て、レッドカーペット歩いて、立派な賞をもらうでゲス!」…などというゲスなことはおそらく微塵もお考えになったことはないのだろう。
中坊魂をけっして失うことのないまま、孤高の映画道をまっすぐ昇り続ける井口昇監督は本当に立派だと思った。

 

 

 

 

8位 《我が名は理玖》

 

昨年のクリスマスごろ。
広島のサブカル・サンクチュアリこと横川シネマさんで《広島こわい映画祭》というイベントが行われた。
大学教授にして公認会計士の資格も持っておられ、かつ〈アルジェント研究会〉の代表という頼もしいところしかない矢澤利弘さんが実行委員長となり、「決して、ひとりでは見ないでください」なこわい映画を色々いっぱい召喚!

 

 

矢澤先生による「サスペリアの世界各国のポスターの比較検証」という全人類必須講義を初め、多彩なゲストによる聞きごたえ満点のトークショーを随所に盛り込み、作品に関連した貴重な資料やパンフレットも来場者に景気よく配布。実行委員の皆さんもとても親切でなぜか全員べっぴんさんという、こわい…っていうかとても楽しい映画祭だった。クリスマスプレゼント山盛りもらった気分。
補助イスまで埋まる大盛況で、好評につき第2回の開催も決定したとのこと。ホラーファンとしては こわいぐらいうれしい。広島の名物映画祭になるといいナ!

 

 

本作はその《広島こわい映画祭》で観た。上映された作品の中で個人的には一番 観応えがあった。後で上映時間が「たったの36分」だったと知り驚愕。短くともズッシリとした重みを感じる、実際にあった事件を元に作られたホラー作品である。

 

2014年、神奈川県厚木市のアパートの一室で5歳の男の子・理玖(りく)くんの白骨遺体が発見された。親の育児放棄による餓死。
トークコーナーで凄いイケメン監督の川松尚良(かわまつ なおよし)さんが「映画の元になった、この理玖くんの事件をご存じの方はおられますか?」と客席に向かって問いかけた。手を挙げることができたのは数人。片手で数えられるほど。
ほとんどの人がこの事件を知らなかった。あるいは聞いたことはあったとしても完全に忘れてしまっていた。私も含めて。

 

永井豪先生がおよそ半世紀も前に《ススムちゃん大ショック》で描かれた「親が子供を普通に殺す世界」が本当に来てしまった。
毎週のようにどこかで実の親に子供が殺され、ニュースを聞いても私はもう心の底から驚くことはできなくなってしまった。皆さんはどうだろう?
今、もっと広く、多くの方にぜひ観て頂きたい作品である。
米国 IndieFEST「短編映画賞」受賞。

 

 

 

 

7位 《青春夜話 Amazing Place》

 

大林監督作品でもおなじみの街、尾道。駅のすぐそば。海沿い。
まるで映画みたいに最高にロマンチックな場所にある、瀬戸内映画界の竜宮城こと〈シネマ尾道〉さんで鑑賞。

 

 

切通理作監督と、ヒロインを演じられた深琴(みこと)さんを迎えてのうれしいトークショー付き。お2人のサインもーろた!

 

 

生で見る深琴さんは思ったより小柄な方で、繊細可憐メガネ女子なたたずまい。
しかし胸の奥に絶対にゆずれない何かをひたむきに抱きかかえているような強さも感じられ、オリジナルな道を歩いてきた方が持つ独特なチャームを放っておられた。

 

 

その深琴さん演じる ぼっちOLが、同じく鬱屈コンプレックスを抱えた男(須森隆文さん)とボーイ・ミーツ・ガール!
夜の学校に忍び込み「キラキラした青春なんて!汚してやる!」と大爆発!
セーラー服はもちろん、チアガールからスク水までフルコースでコスプレしまくり、学校中を駆けめぐり、青春のやり残しをヤッてヤッてヤリまくる!

 

職場などで便所飯男子だった過去を持つ私にとっては、昨今はやりの〈キラキラ青春映画〉よりも、ずっとよっぽど共感度大のドキドキワクワクするAmazingなキラキラ青春映画だった。
メインストーリーに挿入される女教師(安部智凛さん)と用務員(飯島大介さん)のピュアなロマンス、もう1つの青春夜話にも胸キュン♥あんな可愛いキスシーン観たの久しぶり!《ニュー・シネマ・パラダイス》のラストに挿入したいぐらい!

 

須森隆文さんのたたずまいが凄まじいインパクトを残すラストシーンの印象が人によって違うのが面白い。
私はハッピーエンドだと思った。
夢のように終わってしまった一夜。あの人も消えてしまった。でも…夢だけど夢じゃなかった!
もう二度と会うことはないかもしれない。つらい日常もまた始まる。しかし2人の胸にはこれからの人生を優しく灯す大切な思い出が残ったのではないだろうか。
体育用具室でむかえた、あの柔らかく暖かい朝の感じ。好きだ―。

 

ところで以前、阪本順治監督が「映画作りの70%ぐらいは人間関係で疲れる」という趣旨のことを何かのインタビューで言っておられた。
この作品のパンフレットには、初めて映画監督に挑戦した切通さんが、洗礼のように体験する「こ…これはキツい!」と読んだだけでトンズラしたくなるような人間関係のトラブルについても記録されており、映画を志す方には特に一読の価値あり。
キャスト&スタッフのインタビューや対談、そして脚本まで収録されている豪華仕様で読み応え満点。アマゾンでもまだ購入可能。

 

それにしても「ずっとライターをしてきた方が、50歳を越えて、初めて映画監督に挑戦!」…ってホントにすごいことだ。勇気のいる大冒険だ。道中きっと傷だらけだ。でも…切通さんは辿り着いた!

 

手にした かけがえのない宝物「青春夜話 Amazing Place」と共に、各地のイベント会場、映画館を駆け巡る切通さんの姿に、少年のような若々しい喜びとあふれるエネルギーを感じた。何だかうらやましかった。そして勇気をもらった。「何歳からでも何でも、好きならとにかくやればいいのだ!」と思った。
そんな周りにもパワーを与えるステキな50代の新人監督は現在、2作目となる短編を制作中!
それだけでなく、濃い映画愛にまみれた「シネ★マみれ」という本まで創刊!熱い!切通さんの青春は続く!

 

 

ところで本作を観た〈シネマ尾道〉さんにて。
終了後、「今から2作目の撮影を館内で行うので、観客役で皆さんにもエキストラとして参加して欲しい」とアナウンスがあった。
私は人前で何かをするのが凄く苦手な上、子供の頃から学校ズル休み演技もオカンにいっつもバレバレだったナチュラルボーン大根野郎。
「ご迷惑をおかけするワケにはいかぬ…」とハードボイルドに立ち去ったところ、美しすぎる館主〈シネマ尾道〉の乙姫様こと河本清順さんに「良かったら撮影に参加していかれませんか?」と廊下で声をかけられ「はぁい♥」と即答。
「チケット売場に並ぶ客」のシーンで助監督さんに「はいっ!ではアナタは隣の男性の方とホモのカップルという設定で仲のいい感じでお願いしますっ!」とさわやかに指示され、「購入したチケットを相手の男性に、恋人なのに営業のサラリーマンより深い角度のお辞儀をして渡す」という迷演技をアワアワ披露!
ごめんなさい。どーかカットされてますよーに!

 

 

 

6位 《ハングマンズ・ノット》

 

雑誌の記事や予告編を観ただけでアンテナがビビッと反応。
久しぶりに「体が欲しがってるのを感じる映画」で、観たくて観たくてしょうがなかったが、このインディーズ暴力映画の広島襲撃はやっぱし無し。またしても地方あるあるだ。
しかしある日「DVD発売決定!」の歓喜の告知が!
一日千秋の思いで発売日を待ちアマゾンでやっとゲット!「ついに観れる!」とワクワク鑑賞!
震えあがった。

 

映画秘宝さんからスカウトが来そうな、キラッと粋に光る宝石みたいな映画感想ツイートを怒濤の連投中のヒビワレさんという方がおられる。(↓ 美しいヒビワレさんツイートの一例。キングスマンのラストのアレをこんな風に表現できるなんて!)

 

 

そのヒビワレさんが以前、不良世界に堕ちてしまった少年たちの地獄巡り映画、小林勇貴監督作《孤高の遠吠》のことを「胃にくる映画だった」と言っておられた。
しかし!
もしかすると、小林勇貴監督のヤンチャな後輩キャラ、阪元裕吾監督の本作のほうが「胃にくる度」の高さは上かもしれない!例えばこうである。

 

  • ニコ生をイチャイチャ配信中のカップルの部屋にヤンキー兄弟が乱入。「パチンコ屋で俺がずっと座ってた台で、後で打って大当たり出したろ!」とムチャクチャなインネンをつけ、男に土下座を強要、女をレイプ。

 

  • 通りすがりの女子高生を、道ばたに咲いてた花をちぎる手軽さで拉致監禁。シャブ打って輪姦しながら、その娘が両親の結婚祝いに書いた手紙をゲラゲラ読み上げる。

 

  • 不良グループが悪事のアジトにしている後輩の自宅ガレージに、ただならぬ気配に気づいた父親が来て注意説教。
    しかしそのことに「何で親が来んねん!」と逆ギレ。後輩に実の父親をバットで殴らせる。

 

胃にくる地獄暴力シーンの連打。
そしてさらに恐るべきことに、これらがまだまだぜんぜん序の口なのである!

 

「どうだ!この暴力シーン!すごいだろ!」的な悪趣味感も多少はある。
しかし、井筒監督がそうであるように、基本的には暴力に対する「恐れ」「嫌悪」「怒り」などを持っている人の演出だと思う。だから、きちんと怖い。震え上がった。

 

世界で一番権威のある映画祭〈カナザワ映画祭〉で、2017年度「期待の新人監督部門」グランプリ受賞。
エグい映画を山ほど観ておられるはずの主催者・小野寺生哉さんが「今年一番の衝撃だった」と言っておられたのも大納得。この超暴力には並の作品では勝てない。
石井 聰亙監督がわずか21歳で撮った《狂い咲きサンダーロード》は伝説の映画になった。
阪元裕吾監督が同じくわずか21歳で自主製作で撮った本作も伝説になるのではないか。

 

このブログに「怖い暴力映画 私のベスト10」という記事がある。
その中でサム・ペキンパー監督の《わらの犬》について、ベスト10に入れつつも「怖くて1回しか観ていない」と書いた。
私はとにかくレイプシーンというのが怖くて仕方ないのだ。私のような気の弱い人間にとって「愛する人が暴力で犯されてしまう」ということが、何か男として根源的な恐怖なのだろう。レイプものAVとか観るヤツの気が知れん。
この《ハングマンズノット》も、待ちに待ってせっかくDVD買ったのに実はまだ1回しか観ていない!もう!怖くて!
「怖い暴力映画 私のベスト10」。更新の必要を感じている。

 

※《べー》《ぱん》《修羅ランド》《スロータージャップ》などなども完全収録した「阪元裕吾監督コンプリートDVDボックス」の発売を激しく希望!地方に住んでると全然観れん!

 

 

 

 

5位 《ボヘミアン・ラプソディー》

 

個人的に観てて一番燃えたのは、最後のライブ・エイドよりも最初のライブ。「Keep Yourself Alive」を初めてステージで歌うシーンだった。
ルックスや人種のことで笑い者にされてきた孤独な男・フレディが、己を貫き、堂々たる異端異形のカッコ良さで観客を圧倒。みるみる魅了していく姿にシビれた。アガッた。燃えた。

 

「色んな問題がちょっとアッサリ片づき過ぎかな?」ともちょっと思ったが、ラストのライブ・エイドではやっぱりキッチリ大感動!
約束通りステージからキスを贈ったフレディと、テレビの前でそれを受け取ったお母さんの笑顔。
自分と同じ世界中のはぐれ者たちへ向かって「We are the champions my friends!」と高らかに歌い上げるフレディと、熱い涙を流す観客=友たち。
細かな確かな優しさで編集されたライブシーンに、学校とか職場で全然うまくやれず一般社会に居場所のないはぐれ者の私は涙。
監督が途中で降板したのに、よくこれだけ作品として芯がブレずにまとまったものだ。

 

ちなみに私は4DXで鑑賞。
乱痴気パーティーのシーンでは、王様コスのフレディが画面に登場すると同時に、むせかえるような臭いの香水が前方から顔面に「ブシュッ!」と噴霧!
恋人との雨の別れのシーンでは、館内にも雨がシトシト。劇中のフレディと同じく観客もみんな涙と雨でビッショビショ。
「We Will Rock You」のドンドンパン!では、マッサージチェアのような機能を持つ客席がリズムに合わせて背中を激しくドンドンパン!とRock You!
映画はもちろん良かったが、腰痛肩こりにも良いこと間違いなし!
予想外の大ヒットをぶちかました本作のツアーは全国でまだまだ続いているもよう。機会があったら4DX版もぜひお試しあれ!

 

※クイーンのアルバムでやっぱり一番良く聴いたのはコレですナー。「ボヘミアン・ラプソディ」収録。

 

 

 

4位 《斬、》

 

「葛藤、戦いを経て主人公の内面が変容し、そのことに気づいた ある人物が戦慄する。」
塚本晋也監督の作品に繰り返し現れるこのパターン。
《双生児》《鉄男 THE BULLET MAN》《野火》など、すべてこの形だ。
そして最新作《斬、》も、ついに人を斬ることができた男の内面の変容に気づき、戦慄した女の絶叫で幕を閉じる。
地獄のような時代の幕開けを予感させる、恐るべき不穏な余韻を残すラストに私も戦慄した。

 

ラストシーンの池松壮亮さん演じる男と同じく、フラフラと嫌な方向に向かいつつあるような問題だらけの今の日本を斬る、重いテーマを持った本作。
しかし、私としては、塚本印のゴア描写がちゃんとあったのがうれしかった!楽しかった!特に剣豪・澤村の殺陣(たて)のシーン!
《七人の侍》の勘兵衛と久蔵が合体したような優しくて頼もしいお侍さん…だと思ったら、主人公を血と暴力の世界に連れて行こうとネチネチあおる、最も恐ろしい〈やつ〉だった澤村。
いつも通り塚本監督が演じた〈やつ〉が、中村達也さん率いる幕末ヤンキー軍団を、圧倒的なパワーでアッという間にバラバラに切り刻むシーンに頭のおかしな私は大喜び!ゴアゴアスプラッターも大満足!滝のような血が凄い!殺陣と書いて「さつじん」と読む!
そしてこのシーン、「人を殺して捨てゼリフ映画」の歴史にも新たに名を刻んだと思う。必見必聴!

 

それと!
いっつもカワイイ蒼井優たんがいつもにも増してカワイイ!
本作の〈ゆう〉が、私的には「ベスト・オブ・蒼井優」である。
あんなエッロい指フェラ観たの《ケープ・フィアー》のジュリエット・ルイス以来ッス!

 

 

 

3位 《ミスミソウ》

 

〈ホラーM〉は、私が唯一マンガを載せて頂いたことがある商業誌であり、毎号購読。連載中だった押切蓮介先生の《ミスミソウ》もリアルタイムで読んでいた。

 

「アイツ」まで、まさかのゲス野郎だったとわかるシーンのショック度は凄まじかった。まさに精神破壊(メンチサイド)ホラー!キャッチフレーズに偽りなし!
「ああ!これで味方が誰もいなくなってしまった!春花ちゃんは本当に独りぼっちになってしまった!」と心底絶望した。

 

ここの禍々しさに関しては原作のほうが凄いと思う。
しかし押切先生ご自身の「原作越え」のコメントにも確かに納得の、暗黒青春映画の傑作だった。

 

胸をえぐる痛ましいストーリーだが「いじめリベンジ映画」のカタルシスもキチンとある作り。
復讐の刃を執拗に振り下ろす可憐な山田杏奈さんに、職場などでイジメを受けたことがある私は、もう完全にシンクロ!観てて思わず体にグッと力が入った。百武朋(ひゃくたけ とも)さんが担当されたアイディア満載の凝ったゴア描写も素晴らしい。

 

雪のシーンの撮影ってすごく大変そうだし、非常にタイトなスケジュールだったらしいが、良くぞここまで仕上げたものだ。内藤瑛亮(ないとうえいすけ)監督すごい!「これから青春映画はすべて、元教師の内藤監督に撮ってもらうべし!」と思った。次回作《許された子どもたち》も恐るべき傑作になりそうな予感大。

 

エンディング。
タテタカコさんの名曲「道程」がフッと止まり、もう二度と戻らない、あの娘たちが仲の良かった頃の風景が映し出される。
そして歌が堰を切ったようにまた流れ始めた瞬間、私の涙腺も決壊した。

 

 

 

 

2位 《カメラを止めるな!》

 

ポンデミックはめでたく広島にも拡大感染!観に行った〈横川シネマ〉さん、補助イスまで完全に満席。客層もチビッ子からお年寄りまで全世代カメ止めだよ全員集合!
そして映画の後半、そのお客さんがみんな、会場がゆれるほどの大爆笑!
この〈横川シネマ〉さんでお笑いライブを月に一度開催しておられた芸人、カドカイシュウさんの「嫌になるぐらいおもしろかったですよ」というお言葉にも納得。

 

また、大槻ケンヂさんが〈映画秘宝〉で「ハリウッドでリメイクされると思う」と言っておられたのにも納得。
「冴えない父親が、がんばる姿を見せて娘の信頼、愛情を取り戻す」というパターンが大好きなハリウッドが、それを100点満点な形で映画にしたこの脚本を放っておくワケがない。
娘さんがいるお父さんは、観たら涙が止まらないんじゃなかろうか?

 

前半の「?」が爆笑と共に解消していく快感、役者さんに合わせて当て書きされたという、それぞれのキャラの強烈な魅力、手に汗握るサスペンス、そして…あのクライマックス!
組体操の山から何度も落ちてしまう女の子に、黙って代わってあげるイケ好かなかったイケメン。
そしてそこにダメダメだったあの人も!この人も!損得勘定で動いてたあのプロデューサーまで!必死で力をふりしぼって参加!
プルプルと震えるピラミッドを祈るように見つめるお母さんの顔などなど…
細かく丁寧で愛情に満ちた描写が詰み上がっていき、感動のラストに見事に到達!
娘さんの笑顔、お父さんの笑顔、お母さんの笑顔、みんなの笑顔、そして私たち観客の笑顔。
鑑賞後、こんな幸せな気分になる映画は久しぶりだった。最高かよ!

 

 

 

 

1位 《孤狼の血》

 

《仁義なき戦い》以来の、広島弁が炸裂するバイオレンス!
監督は、あの《凶悪》の白石和彌!
これで「期待するな」というのは無理。
公開されるのがワクワク待ち遠しくて仕方なく、ハードルはマックスまで上がっていたが、それを軽々超える面白さだった。
ブタさんがウンチをするオケツのドアップから始まるケッ作なんて初めて!
チンチンに入れた真珠を抜き取る激痛拷問シーンを観たのも初めて!ビックリドッキリクリトリスじゃ!

 

原作を未読で鑑賞。
昔、角川映画のキャッチコピーで「読んでから見るか、見てから読むか」というのがあった。
角川映画じゃないけど、本作に関してはもしかすると「読んでから見る」ほうがいいのかもしれない。
映画では中盤にわりとアッサリ明かされる「ある事実」が、原作だとラストに用意された大切な大どんでん返しなのである。
映画を先に観ていると、そこに関しては驚けないので、ちょっとだけもったいないのかもしれない。

 

原作には続編《凶犬の眼》もあると聞き、私はあのコンビがヤクザと戦うバディものとして続いていくのかと思っていた。
違った。「狼の血を受け継ぐ話」だった。
映画を観てこれほど「惜しい人を亡くしてしまった!」と喪失感を感じたのは久しぶりである。役所広司さんやっぱり凄い魅力だった。

 

とにかく役者さんがみんないい。
私は実写版《湘南爆走族》をリアルタイムで観ているが、江口洋介さんが、こんなシブい色っぽい俳優になるとは思わなかった。
今をときめく大人気イケメン・松坂桃李さんのことは大変失礼ながら実はよく知らなかったのだが「なんていい俳優さんなんだ!」と思った。
特に、封印していた空手を怒りでついに爆発させるシーン。
〈映画秘宝〉で しょこたんも言っておられたが、完全にイッっちゃってる目が凄い!
敵のチンピラくんにムカつくセリフを吐かせ、燃料を満タンにしてから暴力点火!桃李百裂拳大爆発!白目むいて泡吹くまで徹底的にブン殴らせるという、観客の生理を知りつくした白石監督の演出も見事。あースッキリした!

 

ところであのシャブ中のチンピラくん。
私は、演じたのは《孤高の遠吠》の小林勇貴監督なのだと思っていた。
以前、白石監督と対談なさっていたので、その流れで友情出演をしているのだと思いこんでいた。
違った。ハンサムなお顔は確かに似てるけど、岩永ジョーイさんという他の役者さんだった。
勘違いした上「さすが小林勇貴!シャブ中の演技、ぶちうまいのう!」と、変な感心の仕方をしてしまっていた。マジすんません。

 

小林勇貴監督&白石和彌監督

 

シャブ中のチンピラを演じた岩永ジョーイさん

 

好評につき、次作の映画化も決定したとのこと。
大上は〇んでしまったので、演じた役所広司さんがもう出れないのは猛烈にさみしい。
「死んだキャラを演じてた俳優さんが、別のキャラで普通に元気に再登場!」という《仁義なき戦い》方式を採用してまた出てくれないかナ!映画じゃけえ何をしてもええんじゃ。

 

 

 

 

10位 マンハント
9位   ゴーストスクワッド
8位   我が名は理玖
7位   青春夜話 Amazing Place
6位   ハングマンズ・ノット
5位   ボヘミアン・ラプソディ―
4位   斬、
3位   ミスミソウ
2位   カメラを止めるな!
1位   孤狼の血

 

以上が私が2018年に観た映画のベスト10である。
ちなみに宇多丸さんが「世界を本当に呪っている人が撮った映画」と絶賛し、三宅隆太監督が「今世紀で一番怖い映画」と激推しなさっていた《ヘレディタリー 継承》。
期待値が上がり過ぎていたせいか「全然怖くないじゃん!三宅隆太監督の怪談新耳袋《修学旅行》や《水辺の写真》とかのほうが100憶兆倍怖い!」とプンスカ。
しかし後で考えると、観応えのある作品だったのは間違いないと思い直した。
あの「現実を直視できず、ずっと目をそらしたままの事故のシーン」は目をそらせない緊張感だったし、明るい歌が不吉に響くエンドロールも嫌な感じで凄く良かった。

 

そしてちなみに、期待して観に行って、ある理由で「う~ん…これは…今年のワーストかな…」と感じた作品もある。
ハリウッド映画の超ビッグタイトル。
しかし「人生ベスト級!」と言う方もおられるぐらい、非常に人気のある作品。
自分の好きな映画をけなされるとなぜかムチャクチャ腹が立つもの。
私も例えば大好きな《鉄男Ⅱ》などをけなされると「殺してやる」と怒りで腕が銃器に変わりそうになったりする。
ここでワーストを発表すると、その作品を好きな方が「踏みつぶしてやる。俺はガンダムで行く!」とお怒りになられるかもしれない。なのでワーストの発表はカット!

 

(おわり)

 

 

 

※年に一度のお楽しみ!映画秘宝「2018年 ベスト&トホホ10!」1位はやっぱり…!