先日、ブログの読者の方からめずらしくお褒めのメールを頂いた。
「授業中のオナラを勃起でおさえる記事、おもしろかったです!最高です!」
とのこと。
どう考えても最低なニオイのする記事としか思えないかもしれないが、このお褒メールを下さった方にはどうやら楽しんで頂けたようだ。
しかし大変ありがたいが「最高です!」というのはやはり褒めすぎである。間違いである。
私のブログは当たり前だが全然最高ではない。
これは別に謙遜してるワケでも、卑下してダメ男演じ、優しい系素敵レディーの母性本能くすぐり、あわよくば太ももまさぐろうとしてるワケでもない。
私は「本当に最高のブログ」というものをいくつか知っており、それらの作者の方々と自分では、バッファローマンとカニベースぐらい差があるのがハッキリわかるのだ。表現人強度のケタが違いすぎて嫉妬も感じないぐらいだ。
広大なネットの宇宙には今日もあまたのブログが星々のようにきらめく。
更新を楽しみにしているブログはたくさんあるが、今回は「エッセイ・コラム系」のブログの中でひときわ強く輝く、シンプルに文章力でグイグイ読ませる本当に最高のブログをいくつか、特に誰からも頼まれていないが本当に全力で紹介したいと思う。
「今夜は金玉について語ろうか」 たか
思い出や日常を、秀逸すぎる比喩などを織り交ぜた、改行少なめなのになぜかスムーズに一気に読ませる独特な文体でつづったブログ。
これだけ文章で笑わせることのできる方はめったにいないのではないか?
いつもハズレなしだが、圧巻だったのは「キュ キュ」という回。
最初の4行で4回キッチリ笑った。
時々載るマンガも凄い。
可笑しいんだけど、どっか恐いような…可愛いんだけど、不気味なような…軽いんだけど実は重く深いような…
私ごときには量りかねるが、とにかく尋常じゃなく面白いことだけは確かで、独特すぎるテイストがクセになり何度もブログを訪れては読み、カチカチと拍手してしまう。
たかさんはコンビニで働きながら漫画家を目指しておられるようなのだが、この方がデビューなさってないのが不思議で仕方ない。
たとえば「オモコロ」とかで何らかの連載を持たれていても全然おかしくないと思うのだが。世の編集・出版関係者たちはいったい何をしているのか?一刻も早く編集会議で金玉について語るべきである。
※追記(2019年11月16日)
たかさんはその後めでたくデビュー!
2019年6月からヤングマガジンで、英会話教材の飛び込み営業の世界を描いた『契れない人』をダッフン連載開始!ヒロインが脱糞するマンガって、同じくヤンマガに連載してた安達哲先生の『お天気お姉さん』以来、久々に読んだ!
そして、このたび単行本第一巻が発売されます!↓
「契れないひと」第1巻(12月6日発売)の予約がはじまりました。コンビニで働いてた時巻き寿司もうなぎも一切予約を促したことがありませんが今はじめてつむじが見えるお辞儀をしております。よろしくお願いいたします。世界中すべての人を今愛しております。https://t.co/TRlZ2zdziH pic.twitter.com/c8G27tLO6p
— たか (@ketuge) November 12, 2019
「小野真弓と今年中にラウンドワンに行きたい」 爪切男
爪切男(つめ きりお)さんは以前、生き別れのお母様とお兄さまの実名を入れた「○○と××を探しています」という名のブログを始めたところ、本当に再会を果たすという奇跡を起こされたそうだ。
そして「ブログ名に自分の願望を書けば実際に叶うのかもしれない」と考え、現在の「小野真弓と今年中にラウンドワンに行きたい」に変更したとのこと。
そんな小学生の七夕の短冊なみに夢に対して真摯な名を持つブログの内容は、手塚治虫の「火の鳥」をオカズにしてヌイた話や、犬マンの金字塔「銀牙 流れ星銀」に出てくるクロスという雌犬をオカズにしてヌイた話など、8割がたがバラエティーに富みすぎる俺ジナニー話。あとの2割が車椅子の女性との初体験や風俗などのセックス話。つまりほぼ10割下ネタというステキなもの。
しかしとにかく文章がうますぎる。面白すぎる。下ネタだけでなく、イジメやパニック障害の話でさえ吹き出さずにおれない爆笑クオリティーで書ききる。
どうやら書籍化の動きもあるようである。
ブログ界隈だけでなく、一般的にもブレイクする日は近いのかもしれない。そして本当に小野真弓とラウンドワンに行く日も近いのかもしれない。
■追記
日刊SPA!にて、爪さんの連載が始まりました!↓
■追記その2(2017年12月12日)
爪切男さんの初の著書が刊行されます!
「塩で揉む」 こだま
お母さまから受けた幼少期の人格否定、教職についた先での学級崩壊と心の病、旦那様との性交渉ができないこと、そして体の関節が曲がっていく奇病の発症…
おそらく凄まじく辛い体験をその身に刻みつけてきたであろうこだまさんの文章はとても美しく、同時に面白い。ギャグのタイミング、リズム、比喩、すべてが絶妙絶品。そして泣ける話の時は「体重減るわ!」っていうぐらい涙止まらない。
ブログだけにとどまらず「週間SPA!」や「Quick・Japan」で連載も始められたので、楽しみにしている方も多いと思う。私だ。(特に「Quick・Japan」連載の「Orphans」は凄い。)
以前、同人誌に発表なさった作品の書籍化が決定し、現在、増補改稿中とのこと。タイトルは発表時のまま、ズバリ「夫のちんぽが入らない」である。
私は同人誌を買えず未読なのだがおそらく内容は間違いなかろうし、タイトルのインパクトもあり大ヒット!家族に内緒で書いておられるらしいのでご本人は全然望んでいないかもしれないが一躍ベストセラー作家に!…というのもあながち夢ではないかもしれない。
そして「王様のブランチ」のブックランキングのコーナーで大フィーチャーされるかもしれない!
そしてそして司会の谷原章介氏が隣に座ってる新川優愛ちゃんに
「さあっ!優愛ちゃん、本日の特集で取り上げる本のタイトルは何かなっ!?」
とナイスにふり!優愛ちゃんポッと頬を赤らめ!チョットうつむき!
「お…夫のちんぽが入らない…です…」
と言うシーンが見れるという!地球上全男子の夢が叶う夢のような日が来るのもあながち夢ではないかもしれない!
がんばれこだまさん!&ヨロシク章介。
■追記
こだまさんの「夫のちんぽが入らない」が2017年1月16日に扶桑社より発売されることになりました。
・扶桑社ホームページ
http://www.fusosha.co.jp/books/detail/9784594075897
・公式ツイッター
https://twitter.com/kodama_och
以上、オススメの最高のブログを3つ、勝手に紹介させて頂いた。
ところで、こちらの3名様にはご交流があるらしい。そして爪切男さんとこだまさんのお二人は昨年そろって、ブログをまとめた本を自費出版なさった。
あっという間にさすがの完売だったらしいが運良くゲット。
私は本を読む時に「すげえ!」と思った文章があるとそのページに付箋をし、自分の文章力向上の養分とすべく、後でそれを書き写す…という効果があるのかどうだがよくわからない事をしているのだが、お二人のブログ本は美文養分が多すぎて↓
という5浪中のノイローゼ受験生の参考書みたいなビラビラ状態になってしまった。最高だった。
私も少しでも文章がうまくなりたくて上記のようなことをしているが昔、中国の偉い人が ↓
…と言っていたのでやはり永久に身につかないのかもしれない。(©王 欣太先生)
実際、調子の悪い時は本当に全然書けない。
冒頭のお褒メールを下さった方とたまにやり取りをすることがあるのだが、コラムが不出来で落ち込んだ時
「こないだのコラムはうまく書けなくて…下の中ぐらいのデキだったと思います…」
と「そんなことないですよ!」という言葉が欲しくてションボリメールを送ったら
「そんなことないですよ!中の下ぐらいでしたよ!(^▽^)/」
と慰メールをくれたので中の下ぐらいの気分に回復しました。
ちなみに今回紹介させて頂いたブログにはある共通点がある。
「広告を貼っていない」ということである。これはけっこう「面白ブログあるある」ではなかろうか。
おそらくみなさん優れた文学などは読んでも「ネット初心者のニートのボクが普通の主婦でアフィリエイトでアドセンスが月5億稼いで脱サラしてたった3行で家が建って誰でもPVは100万で今すぐ儲かる秘密のブログの書き方の法則のやり方の王道」というような夢がモリモリなブログ運営テク本などにはまったく興味がない方々なのではないかと思う。
ちなみにそんな私は、中の下ぐらいの記事を書くのが得意な私はブログに広告貼っている。貼っているったら貼っている。お父さんのサロンパスぐらい普通に2,3ペタリ貼っている。
その効果は絶大で、ひと月に一本うまい棒を買えるぐらいのうまい収入が忘れた頃にたまにある時もあるようである。
これはけっこう「中の下ブログあるある」ではなかろうか。
(おわり)