(その➁はこちら)
手術は1週間後になった。
職場に3日間の休暇の申請。
理由を話すと、職場の上司は非常に心配してくださった。
術後の経過が悪ければ、3日間と言わず、良くなるまでしっかり休むようにとのこと。
私が休むと、その穴は上司が自ら埋めなければならない。
ただでさえ忙しいのに仕事が増えて大変なはず。
なのに親切な言葉をかけて頂き、感謝。
感謝ついでに「実は生まれて初めての手術で恐ろしい」と不安を吐露。
「最近は技術が非常に進歩しており、痛みはほとんど無いはず。麻酔してる間にあっという間に終わる。安心して手術を受けるように」と励まして頂く。
少しホッとする。重ねて感謝。
そして家族への報告。
これが気が重かった。
私は今年70歳になる父と、兄の3人暮らし。
兄はともかく、父は非常に心配症。
特に母を急病で亡くしてから、家族の健康について、さらに神経質になっている。
「手術」と聞いただけで動揺し、涙目でオロオロする父の姿が目に浮かぶようだ。
「きっと心配するだろうな…」と、なかなか話を切り出すタイミングがつかめない。
しかし先延ばしにするわけにもいかない。
朝、食事の準備をしている父に、意を決して報告すると ↓
報告完了!覚悟完了!
事前の血液検査、尿検査、誓約書の記入を済ませ、薬で痛みを緩和しつつ、その日を待つ。
手術日の前夜、食事などの制限は無し。
病院の指示通り下剤を飲んで就寝。
明朝の来院前に排便をすませ、なるべく腸を空にしておく必要があるらしい。
当日の朝、6時に起床。
また下剤を使う。今度は座薬タイプのもの。
しかも病院からは、2個も入れるよう指示。
「ワシゃ、ロケット鉛筆か!」
と若い方にはまったくわからない突っ込みを入れつつ座薬も入れる。
「2つもなんて、そんなの無理♥」
と思っていたが、問題なく挿入完了。
自分の肛門の秘めたるキャパシティーに驚く。
「しかし、こんなに下剤ばっかり服用して大丈夫だろうか?薬が効くタイミングがずれて、手術中にウンチがモリモリ出たらどうしよう?医者も看護婦さんもワシを手術台に残して、虫の子を散らすように逃げ出すだろう…」
と心配に。
しかし、そんなセンシティブな不安を吹き飛ばす勢いで猛烈な便意が。
指示通り、来院前にきちんと排便完了。なんかウンチの話ばっかりですみません。
手術も心配だが、「茶色いブログ」とか呼ばれないか心配だ!
当日も軽めの朝食ならOKとのこと。
父が用意してくれたトーストとスクランブルエッグを平らげる。
来院の指定時間は9時。
出発の時がせまるにつれて気分は憂鬱に。
手術の痛みへの不安、恐怖が再びつのる。
「いや、そんなに痛いなら、先生からあらかじめその旨きちんと説明があったはずだ。手術のパンフレットにも痛みは少ないと書いてあった。上司の言ってくれた通り、きっと大丈夫なのだろう。」
自分に言い聞かせ、気を落ち着かせ、荷物を持ち、父に出発を報告すると ↓
再度、覚悟完了!
行ってきます!
(またまた続く…)