突然だが、提案をさせて頂く。
ファミコン世代の方はもちろん、「プレステ2がレトロゲ」というような若い方も、「ファミコンソフトがプレイできるゲーム機」を何かゲットしてみてはいかがだろうか?
なぜなら、ファミコンのゲームは「なんかイイ!」から。
具体的に何がイイかと言うと…
- 中古が安い。中にはもう「おにぎりせんべい」ぐらいの値段で買えるものも。(例:未来神話ジャーヴァス)
- 今やっても、うなるほど良くできた作品もたくさんあるが、つまんないのも多い。しかし安いのでつまんなくても、あんまり腹が立たない。(例:未来神話ジャーヴァス)
- 今のゲームに較べると、ビックリするぐらい不親切で難しく、オッチョコチョイで変テコな作品が多い。
中には「テストプレイという制作過程は省いたに違いない!」というようなヤケクソ感みなぎる作品もドッサリ。
しかし前述した通り安いので腹は立たない。むしろなんかニンマリ。人に伝えたくなるよなニンマリ。(例:未来神話ジャーヴァス)
だから「ファミコンソフトがプレイできるゲーム機」を何かゲットしてみてはいかがだろうか?
昨年発売され話題沸騰、予約完売状態だった「レトロフリーク」や、他のもっと安い、怪しくも楽しげなファミコン互換機軍団のどれかでもいい。
もちろん任天堂純正の「AV仕様ファミコン」でもいいし、私のように、AVケーブルが取り付けられた「改造旧ファミコン」を買ってもいい。
これらのどれかを買えば……ブックオフなどで、ファミコンのカセットが無造作にガシャガシャ突っ込んである、今まで見向きもしなかった日陰のコーナーが、突然キラリ!お宝アイテムの眠る魅惑の宝物殿に変わるかもしれない!
実際、私は先日ブックオフで「ゼルダの伝説」のROMカセット版を550円でゲットした時、こんなキモチでした。↓
さて、ここでは、総タイトル数1000以上あるファミコンのゲームの中から、今やっても面白い作品を紹介する!……のはなんか普通で面白くないので「なんじゃコリャ…」以外の感想を言うのが難しい「変テコなゲーム」をいくつか紹介させて頂く。
やればアナタもきっとニンマリ!
でも「ちょっと高いな…」と感じる時は、念のため買うのを控えよう!
■ファミコンの「変テコなゲーム」リスト
「アトランチスの謎」
コウモリのフンに当たって死ぬスペランカーばりの虚弱冒険家が、囚われた師匠を助けるべくアトランチスの探検に挑む!
山ほど出たスーマリ系横スクロールアクションの一つ。
しかしこのゲームには飛び抜けた所がある。
それは「発売日に無敵の裏ワザが見つかってしまったこと」である。
なぜそうなってしまったのか?それこそが「アトランチスの謎」なのかもしれない…
「パックランド」
元はゲーセンのタイトル。横スクロールアクションだがレバーはなく、3つのボタンのみ。それぞれが左右移動とジャンプという、当時のナムコらしいトガったゲームデザイン。
タタタン!タタタン!とピアニストみたいに華麗にボタンを叩くお兄さんを当時ゲーセンで良く見かけたものである。
ファミコン版は、その独特な操作方法を、そのまま採用。ABボタンで左右移動、十字キーのどれかでジャンプ!というエキセントリックなことに。
やはりみんな横スクロールと言えば、スーマリの操作方法が染み着いている。そのため本作をプレイすると、指先のとまどいがハンパない。
敵だ!ジャンプだ!思わずAボタン!→右移動して死
敵だ!移動だ!思わず十字キー横!→ジャンプして死
…という即死スパイラルにどうしてもはまってしまう。別に大人げなく怒る気はないが。
そういえばこの両手の指の動きが引き裂かれて一致しない感じは…そう!「習いたてのピアノ」に似ている。
修練を積むことにより、あの頃ゲーセンで見たピアニスト兄さんのようにタタタン!タタタン!と華麗にボタンを叩ける日が来る…ワケあるか!
(…と思ったら、Ⅱコンを使用すれば、普通にスーマリ方式で操作できるとのこと。早く言ってくれ!)
「天下の御意見番 水戸黄門」
このゲームは、当時かなりビックリした。
なぜなら…「ファミコンがしゃべった」から!
格さんのあのセリフ「静まれ、静まれ~い!この紋所が…」をえんえんとハッキリしゃべるのである。
当時、ここまでしゃべるファミコンゲームは、他には無かったと思う。ビックリである。
しかし肝心のゲームのほうは私には難しすぎ、格さんが町娘や商人を間違って殴りまくったりするばかりで、最初の町からまったく進めませんでした。ビックリである。
「北斗の拳」
「何か」を取ることで自機がパワーアップするというゲームは多い。
この作品も「まあまあ弱く、やられるとパタリロみたいに足をバタバタさせて吹っ飛んでいくかわいいケンシロウ」が、敵を倒すと出てくる「何か」を取ることでパワーアップしていく。
まあ有名だから言ってしまうと「あべし」を取るんである……
原作に出てくるマンガ史に残る有名な断末魔を、強引に組み込んだまさかのこのゲームデザイン!
イカす。
当時、なけなしのおこづかいでこのゲームを買った中学生男子たちを、言葉を失う秘孔でも突かれたかのように、無口にさせた強力な一本。
ところでこのゲーム。敵が死ぬ時に「あべーし べーし べし!」と言っていると私は思うのだが、当時誰も賛同してくれなかった。皆さんにはどう聞こえるだろうか?
「源平討魔伝」
「源平」がゲーセンに登場した時のインパクトは凄かった。
「壇ノ浦で滅んだ平家の侍が、黄泉がえって頼朝を討つ!」という、この燃える和風おどろアクションに、私も一瞬で魅了された。
うまいプレイヤーさんの後ろでジッと背後霊みたいにたたずみ、ドデカキャラが喋りながらグワングワンと動きまくるドハデ画面を食い入るように見つめ迷惑がられた。元ネタとなる近松門左衛門の「出世景清」も読んだ。
「源平、ファミコンに移植決定!」のニュースが流れた時は正直複雑であった。
あの画面をファミコンで再現できるとはとても思えなかった。それにコナミがすでに「月風魔伝」という源平丸パクリチックな傑作アクションをファミコンで発売しており、今さらどうするんだろう?と思わざるをえなかった。
「でもそこはナムコ!きっと何とかしてくれる!移植された過去作を見るとちょっとだいぶ不安になったりするけど(例:パックランド)でもきっと!ナムコは何か工夫してくれる!」
バンダイナムコという名前が未だに全然シックリこないナムコ信者の私は、そう自分に言い聞かせ発売を待った。
そして発売された作品は、ナムコの工夫度が私の予想をはるかに超えて、ボードスゴロクゲームになっていました…
カセットをファミコンに差し込み、その横にさらにボードやカードを並べて遊ぶという斬新&独特すぎるこのゲーム。
このたび、ボードやメタルフィギアすべて完備の美麗品を450円でゲット!最大4人まで同時プレイ可能!でもワシャそんなに友だちいません。諸行無常。
「デビルマン」
他の記事でも書いたが、私は永井豪先生の「デビルマン」が永遠のナンバー1マンガである。
なので「原作版デビルマン、ファミコンゲーム化決定!」のニュースを聞いた時は大興奮!即予約!「女神転生みたいに悪魔合体を取り入れてはどうじゃろうか…?」「状況に応じて人間と悪魔の姿を使い分ける変身アクションゲームにしたらどうじゃろうか…?」とか色々クーソーしてから寝る毎日。
そして待ちに待った発売日。即ゲットした作品は、豪かい&ダイナミックに荒削りすぎる変珍アクションゲームであった。
別に予約しなくても、売り切れることはなく棚にヒマそうに並んでいた。
しかもたった数ヶ月後に中古で半額ぐらいで売られていた。
兄は、美樹ちゃんが平手で悪魔を粉砕したりするモノ凄い画面を見ながら「これホンマにヒドいで。ホンマにひどい。」と、同じことを2回言うシンプルなケナし方をしていた。
しかし私は金をソンしたなんてまったく思わなかった。「我がバイブル、原作版デビルマンがゲームになっている!」というだけで無上の喜びであった。夢中でプレイしてエンディングまでスイスイいけるようになった。
原作のハードな展開を何とかナゾっており、ラスボスのサタンに負けると、ちゃんとラストがアレなんである。うれしかった。エンディングが見たくて何度もプレイした。
でも人にはいっさいすすめん!
「未来神話ジャーヴァス」
このゲームはとにかくワケがわからなかった。
「ワケわからん度」では、あの迷作RPGの代名詞「星をみるひと」に負けてないと思う。
カセットに描いてあるカッチョイイお兄さんとは似ても似つかないカッチョ悪い自キャラでいきなりフィールドに放り出され、どこに行けばいいのか?何をすればいいのか?とにかくサッパリわからない。
しょうがないから、ボタンを押すと繰り出すうまい棒みたいな形の武器をブン…ブン…ブン…と振り、敵らしきモノをバシャー!(敵が死んだ時の音)と倒す。ブン…ブン…ブン…バシャー!ブン…ブン…ブン…バシャー!ブン…ブン…ブン…カチッ!…と無言で電源を切ることに。バッテリーバックアップなんか知らん。
私は「未来神話ジャーヴァスをクリアした人、日本に存在しない説」をずっと一人でブツブツ唱えていた。
しかし世の中にインターネットというものが登場すると、この珍作の攻略サイトやクリア動画などがいっぱい上がっており、心底驚いた。きっとモノ凄い回数のブン…ブン…ブン…バシャー!が必要だったのではないか?
そんな忍耐力が身につく「未来神話ジャーヴァス」。あなたもやってみてはいかがだろうか?バッテリーバックアップの電池はたぶんもう切れているが!
ー以上、とりあえず数本を紹介させて頂いた。これからも思い出したら随時追記していく予定。
あっ!そうそう、中古カセットはまず掃除しましょう。じゃないとたいてい映りません。
私はこの2つを使い、下記の手順で掃除しています。
- 無水エタノールを綿棒に染み込ませてカセットの端子をふく。
- 同じように接点復活剤を綿棒に染み込ませ、カセットの端子に塗りつける。
これで復活しなかったカセットは今のところ無し。皆さんも安心して、ここで紹介させて頂いたゲームをゲットしよう!しかし苦情はいっさい受け付けない!
(つづく 随時更新予定)