2025年に観た映画 私のベスト10

昨年もあまり映画館に行けず、後に配信で観たものも多いのですが、2025年に公開された作品の私のベスト10をあげさせていただきます。

 

10位 『BROKEN RAGE』

世界のキタノによる「作品とそのセルフパロディを1本の中で同時に観せる」という実験映画。
シリアスパートで、暗い取調室でたけしさんがぶん殴られてるところの暴力のイヤな感じとか凄く良かった。「おお!北野映画だ!」とうれしかった。
世間では酷評が多く、確かに実験は失敗だったのかもしれない。
しかし私にとってはなんかニヤニヤかわいい映画だった。
「殿!もうじゅうぶんですから!」などと誰にもカットされることなく毎カット単位で連発される「ブリーフにランニングでランニングして帰る」レベルのひょうきん族な大ボケに白竜さんと一緒に思わず吹いた。
この作品がヴェネチアで上映されたっていうのも面白い。他の人ならありえない。映画監督としてはもちろん愛されキャラとしても世界のキタノということなのだろう。

 

 

 

9位 『ノスフェラトゥ』

ムルナウ版がもちろん大好きなので気になって観た。
どこまでがCGなのか、私にはもうわからないが美術や雰囲気がとても良かった。
ポスターにも使われてるシーンなど、バシッとキマッたカッコ美しいショットをたくさん観ることのできる絵力の強い作品だった。
ジョニデの娘さんも、白目むいて汚い言葉とゲロを吐いて、がんばってエクソシストしててかわいかった。
ウォーズマン級の呼吸音とともにせまりくる吸血鬼ノスカルスガルドゥとの体を喰いちぎられながらのモノ凄いラブシーンではオッパイもいっぱい出してて立派。

 

 

 

8位 『トワイライト・ウォリアーズ』

みんなが香港映画に求めるワクワクをすべて詰め込んだ入魂の一撃のような作品。
冒頭からさっそく炸裂するキビキビした肉体アクションの連打にまいった。
どのキャラクターも、悪役含めてもみんなチャーミングだった。
ラストも黄昏てて、ちょっと切なさもあってグッときた。

 

 

 

7位 『スーパーマン』

スーパーマンの映画を作るのって難しいと思う。
ピチピチの青レオタードな服に赤パンと赤マント。そして胸に「S」のマークて。
そんなスーパー変なカッコをした怪力野郎を主役に据えてドラマを描かなければならないのである。
難しい。下手にシリアスぶっても笑われちゃいそうだし。
ジェームズ・ガン監督のあの狙い方は、これ以上考えられないぐらい見事に的中したと思う。

 

 

 

6位 『悪い夏』

極貧に耐えつつ認知症の父の介護をしていたころ、担当ケアマネージャーさんに「今の状況なら生活保護が通るかも」と申請を勧められ、意を決して区役所へ。
しかし、終始ヘラヘラと笑い、話を真剣に聞こうという態度すら見せない担当女性に秒で軽くあしらわれてしまった。
木南晴夏さんが地獄みたいな顔で見事に演じたシングルマザーが、やっとの思いで窓口に生活保護の相談に来るも、詰んでヤケ起こしてる主人公に詰められてしまうシーンで、自分のその思い出がフラッシュバックしてつらかった。
なので嵐が去った後のようなムードのエピローグにホッとした。ギリギリのところでピンチを救う「あるモノ」も粋だった。
出演俳優さんもみんな良く、河合優実に主人公以上にクラクラ。飴と鞭を賢く使い分ける窪田正孝のリアルで怖い悪者っぷりにブルブル。
このたびも「城定秀夫監督にハズレなし!」であった。

 

 

 

5位 『マキシーン』

三部作すべてを観た今、どれがどれだったかちょっとわからなくなっているおバカな自分がいるが、どれも良かったことはわかっている!
本物のホラー愛を持った頼もしい監督と頼もしい女優さんがガッツリ組んでくれた夢のような三部作の幸福なカーテンコールに拍手!

 

 

 

4位 『サブスタンス』

「話題のボディホラー」という以外、あまり情報を入れずに観たので、まさかあそこまでグッチョグチョになるとは思っておらず驚けてよかった。『ザ・フライ』も電送機で逃げ出すぐらいグッチョグチョ度の高いナイスグロテスクにビックリ!
不快痛快な大惨劇にむけて盛り上がるサスペンスも凄かった。
老いやルッキズムをテーマにした作品に、60オーバーなルックスのすべてをさらして演じたデミ・ムーアも立派だと思った。
ところで、あのデートすっぽかされた男の人。切なかったな。

 

 

 

3位 『機動戦士Gundam GQuuuuuuX Beginning』

作品としての完成度はともかく、ビックリ度ではとんでもなく一番高かった。
「何かサプライズがある」と聞いたので、ネットでネタバレに触れぬように気をつけ、映画館で何も知らずに観ることができ、まんまとビックリできて本当に良かった。
始まった時、最初、「本編前のファンサービス的なオマケ同時上映ガンダムかな?」と思ったらまさかの…
その後に放映されたテレビ版も「あっ!ギャンだ!」とか「あっ!エルメスだ!」とか「あっ!RX78だ!」とか、まんまとオッサンホイホイされて楽しくは観た。
しかし大変失礼ながら「ちょっと主役3人のドラマがなさすぎるのでは?」と思った。

 

 

 

2位 『デビルマン 誕生篇』『デビルマン 妖鳥シレーヌ篇』

伝説の80年代神OVA2本が、なぜか2週間限定でスクリーンに降臨。
あの当時。待ちに待った発売日。ビデオレンタルはしなかった。
新聞配達のバイト代で高額なVHSソフトを購入したのだ。永井豪先生の『デビルマン』は私のバイブル。ゆえにデビル愛を捧げねばならなかったのである。
それ以来テープが千切れるぐらいデビルヘビロテし、DVDや配信でも悪魔に憑りつかれたように繰り返し観続けてきた。
しかし大スクリーンで観れるのはこれが最初。そして最後になるかもしれないと思い映画館へ。
そのすばらしさは言わずもがな。
しかし、なぜ今、劇場公開されたのだろう?
まさか続編製作始動の布石!…ってことはないか。

 

 

 

1位 『花の詩女 ゴティックメード』

ご存知の方も多いと思うが、永野護さんが『ファイブスター物語』の連載を9年間もストップして創り上げたロボットアニメ。
公開は2012年。ソフト化も配信もない幻の作品。ファンはリバイバル上映を夜空のジョーカー星団に願うのみ。存在自体がもうすでに伝説の風格を帯びていると思う。
そして私はエルガイムリアルタイム世代でありながら、恥ずかしながら未見。
「ワシ、観たことあるもんね!」とイキる、なんかイヤな感じの人の自慢話を歯ぎしり見聞きするのみであった。
このたび3年ぶりの全国リバイバル上映が発表され「今度こそついに観れる!」と歓喜するも、私の住んでる広島は上映なし!ズコー!いわゆる「広島とばし」である。
しかし、この機会を逃しては、次はいつ観れるかわからない。一生観れないかもしれない。
なので、一番近くの岡山会場まで新幹線に乗って観に行った。
…と、このようなお祭り的高揚感と「ついに観れた!」という喜びもあり、昨年で一番高くついたが一番楽しい映画体験となった。
主役メカ《カイゼリン》がついに起動する時の興奮と言ったら!
ロボットアニメを観てこんなにワクワクしたのは久しぶりである!
昨今、映画は上映されてすぐに配信やソフト化がされ、あっという間に消費されていってしまう。
しかし本作はこのまま大切に、たまに映画館だけに現れる幻の伝説的ロボットアニメであり続けてもいいのではなかろうか。
ナヌ!?そちら様は未見ですと!?
ワシ、観たことあるもんね!